KNT-CTHD連結第2四半期、旅行回復も増収減益 ベアや研修など人材投資で
2024年11月14日(木)配信
KNT-CTホールディングス(小山佳延社長、東京都新宿区)が11月12日(火)に発表した2025年3月期第2四半期(24年4~9月)の連結決算によると、旅行事業の回復によって海外旅行を中心に取り扱いが増加し、売上高は前年同期比8.0%増の1344億2200万円の増収となった。
一方で、公務の受託事業の取り扱いが大幅に減少。加えて、ベースアップに伴う賃金改定や初任給の引き上げなどの人件費、新規システムの構築費、コンプライアンス強化のための研修費、販売促進のための宣伝費など費用面で約10億円増加した。
これにより、営業利益は同32.3%減の22億3700万円、経常利益は同26.0%減の25億8600万円、当期純利益は同8.5%減の25億2200万円と減益。なお、21年度第3四半期以降、それぞれ四半期ベースで12四半期連続の黒字となった。
同期の国内旅行は、新型コロナウイルス感染症の収束で高まった旅行意欲が落ち着きを見せ、おおむね横ばいの状況が続く。個人旅行では、ダイナミック・パッケージ商品の販売に注力し、東京や北陸、伊勢志摩エリアが好評。クラブツーリズムの添乗員付きツアーで、北海道方面や夏の祭事の販売に注力した。団体旅行では、近畿日本ツーリストで夏の各種スポーツ大会など、学生団体の需要獲得をはかった。
海外旅行は、不安定な国際情勢、円安などで旅行代金の高騰や旅行先の物価上昇などの影響を受けるも、コロナ禍以前へ徐々に回復している。個人旅行では、クラブツーリズムの添乗員付きツアーで、スイスやイタリアへの観光、クロアチアやフランス、スペインへの登山などヨーロッパ方面が好評。団体旅行では、近畿日本ツーリストで国際スポーツ大会観戦や夏季休暇中の語学研修、国際交流などの取り扱いを行った。
円安傾向の継続や外国人の長期休暇による訪日需要の高まりで伸長を見せる訪日旅行では、クラブツーリズムが訪日旅行者向けグローバルサイト「YOKOSO JAPAN TOUR」を9月11日(水)に公開。今後はプロモーションを実施していた台湾や香港からに加え、東南アジアや欧米豪へ訪日旅行者の拡大に取り組むとしている。
このほか、将来に向けての「KNT-CTグループの存在意義」を定義するため、パーパス「まだ見ぬところへ、まだ見ぬ明日へ」を制定。旅行会社としての役割に努め、新しい価値を創造し提供することに取り組んだ。
□通期連結業績予想、公表数値を据え置く
通期連結業績予想は、今年5月に公表した予想数値を据え置く。売上高が同11.6%増の2850億円、営業利益が同3.1%増の75億円、経常利益が同6.0%減の75億円、当期純利益が同0.5%減の75億円をそれぞれ見込む。
小山社長は「今後は旅行事業の回復を最大限に取り組み、今年5月に公表した『新・中期経営計画』における各施策の具現化に引き続き注力し、スピード感をもって成長戦略の推進に取り組んでいく」と語った。