皇居三の丸尚蔵館で「瑞祥のかたち」展 25年1月4日から
2024年11月18日(月) 配信
新年の到来を喜び、人生の節目に幸福を願う気持ちは、古くからさまざまな造形にたくされてきた。古代中国では不老不死の仙人が住むと伝えられた蓬莱山、日本では吉祥図として描かれた長寿を象徴する鶴と亀が添えられた島台が縁起物とされ、理想郷として蓬莱山へのあこがれ、霊峰・富士の姿に重ねられる。伝説の鳥・鳳凰は高貴さを象徴して絵画、工芸に取り込まれている。麒麟(キリン)、唐獅子も空想上の霊獣だが、威厳のある凛とした姿は泰平の願いを込めて表現されている。
東京の皇居三の丸尚蔵館では2025年1月4日(土)から3月2日(日)まで、「瑞祥(ずいしょう)のかたち」展が開かれる。皇室伝来の書跡・絵画・工芸品の中から、蓬莱山や霊峰富士、松や鶴・亀、宝船、霊獣などのめでたいモチーフの数々、巨匠・伊藤若冲や横山大観、江戸時代から近代にかけて活躍した作家による日本美術の名品46点を一堂に会し、新年の幕開けにふさわしい縁起物の美を楽しめる。
【ジャーナリスト 貞廣 長昭】