知多半島の観光資源調査、東洋大・島川ゼミの学生ら
東洋大学国際地域学部国際観光学科准教授の島川崇ゼミの学生は3月4、5日の2日間、愛知県東海市や常滑市、半田市、南知多町など知多半島の観光資源調査視察を行った。昨年12月にも第1回調査として同地を訪れ、初めて訪れた学生がほとんどのなか、知多半島には、親子が旅行を通じて交流できる環境がそろっているとの視点から、「親孝行ツアー(親子感謝ツアー)知多半島1泊2日」など新たなテーマを見つけ出した。
第2回の視察コースでも新日鐵住金工場(東海市)や、盛田味の館・盛田家資料館・味噌蔵、酒造見学(常滑市)、常滑やきものの道(常滑市)での絵付け体験、新美南吉記念館(半田市)、細井平洲(ほそい・へいしゅう)記念館(東海市)などを再度調査した。
前回の視察をもとに、中部国際空港など周辺地域にはバリアフリーに配慮した施設などが多いことに気づき、福祉観光という視点から細かく調査した。そのほか、海上から東海市の工場夜景を眺める観光船を出すアイデアや、企業と連携した工場や資料館見学などを組み込んだものづくり観光(ビジネス研修など)、「知多半島はサイクリングに最適な環境」との視点で、民宿を利用したサイクリング観光の開発など、さまざまな可能性を探りながら視察した。
なかでも、東海市では市民の誇りと慕われる“江戸時代最大の学者の一人”細井平洲に着眼。平洲は37歳のとき、米沢藩主・上杉鷹山公の先生となり、生涯を通じて師弟のつながりをもった。53歳のときには尾張藩主・徳川宗睦公に迎えられ、藩校明倫堂創設にあたって督学(学長)となり、尾張の学術を振興した。東海市には平洲にゆかりの地が散在しており、今も全国から平洲の教えに共感する旅人が多く訪れている。島川ゼミの学生たちも細井平洲を一つの観光資源として、新しい旅の提案につなげることを課題として視察した。
第2回の視察を終え、島川准教授は「学生たちはとても難しい課題に向かっているが、東海市や知多半島の新たな観光資源を掘り起こし、新しい提案ができれば日本の観光はもっと深みを増していく」と学生たちに期待を寄せた。
【増田 剛】