「能登の『復興の力』になりたい」 “いま能登でできる100のこと”PJスタート
2024年11月26日(火) 配信
石川県の能登半島広域観光協会と能登DMC合同会社はこのほど、能登・東京に所在する5団体とともに「のと100プロジェクト実行委員会」を立ち上げた。現在、能登の復興には資金や物資だけでなく「人的資源」が不可欠であり、同PJでは、観光や買い物、仕事、ボランティアなど“いま能登でできる100のこと”を発信。さらに、能登の「復興の力になりたい人」と、能登の人々が出会うマッチングイベントを実施しながら関係人口の創出を目指していく。
11月22日(金)には初のマッチングイベントとして、「第1回のとMEET UP!」が東京都内で開かれた。復興に向けたトークセッションや、能登の美味しい食材を楽しむコーナーなども設け、約100人の参加者らは交流を深めた。
「のと100プロジェクト実行委員会」を代表して、のとDMC合同会社CMO、ノトノオト代表の小山基氏は「『被災した能登に行ってもいいのだろうか』と思われるかもしれないが、営業を再開している観光施設や飲食店も増えている。皆さんに訪れていただいて、経済を再生していかなければ復興は進まない。観光でも買い物でも、能登と関わりが増えることで復興につながっていく」と述べた。
トークセッション「復興に向けて、いま繋がりたい人材」には、合同会社CとH共同創業者CEOの伊藤紗恵氏、和倉温泉創造的復興まちづくり推進協議会事務局アドバイザー、Orchestration社長の宮田清孝氏、七尾市地域おこし協力隊、ソーシャル・キャピタル共創機構代表理事の酒井可奈子氏が登壇。司会は國學院大學観光まちづくり学部教授・東京大学名誉教授の吉見俊哉氏が務めた。
酒井氏は自身の経験を踏まえ、「東京で働いていると、人生100年時代の後半戦は選択肢が少なく感じた。地域という視点も入れながら自身の足元を自分で選び、歩みやキャリアの轍をつなげていく力を培っていくこと」の重要性などについて語った。
和倉温泉の復興に携わる宮田氏は「震災後、輪島市や珠洲市の方々から和倉温泉の復興を強く望まれているのを感じている」とし、来年3月に発表する復興プランでは奥能登との連携を強くしたものになると話した。
珠洲市のコワーキングスペースを拠点に二地域居住や関係人口の創出などに取り組む伊藤氏は、「ワクワクする未来を能登で一緒に作りたい人、田舎で『もう一人の自分』を創ってみたい人などとつながっていきたい」と呼び掛けた。
吉見氏は「能登で先陣を切って新たな価値創造に携わる皆さんは、日本の未来に向けた大きな地殻変動の第一歩」とエールを送った。