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【特集 No.663】日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2024 次世代につなぐ“地域の拠点”へ

2024年12月1日
編集部:長谷川 貴人

2024年12月1日(日) 配信

 旅行新聞新社(石井貞德社長)は12月1日、取材活動などを通じて見聞きした今年の観光業界の取り組みの中から、創意工夫の見られるものを独自に選び、表彰する「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2024」を選出した。同賞は2021年に創設し、今年が4回目。グランプリは、旅館の存在意義を示しつつ、雇用維持や新規事業に努めた「加賀屋グループ」(石川県)を選んだ。優秀賞には「伊予鉄バス」(愛媛県)と、「奥出雲多根自然博物館」(島根県)を選出した。各賞の地域の拠点として次世代につなぐ新たな試みや挑戦を紹介する。

グランプリ 加賀屋グループ

心に寄り添うおもてなし、雇用維持や新規事業展開も

オンラインショップにも注力

 日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー2024のグランプリに輝いた「加賀屋グループ」(渡辺崇嗣社長、石川県七尾市)は、今年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」により甚大な被害を受けた。

 和倉温泉では旗艦店の「加賀屋」、「松乃碧」「あえの風」「虹と海」の4館が営業していたが、現在も休業を余儀なくされている。

 加賀屋本館は、エレベーターを囲むガラスや通路の壁が崩れ落ちるなど建物の損壊があったが、幸い宿泊客にはけが人はなかった。エレベーターの止まった館内でスタッフは階段を駆け上がり、安全な場所へ案内した。館内放送では安心感を与えるために、「従業員の指示に従って安全な場所へ避難してください」と呼び掛けた。宿が海辺にあることから避難所となっている高台の小学校まで徒歩で誘導した。

 入浴後に浴衣姿となった宿泊客も多く、防寒着を提供した。避難所には、おにぎりやお茶などの飲食物、売店のお菓子、さらにはバスタオルや毛布、布団などを車やトラックで運び、少しでも宿泊客の不安を和らげるよう懸命に対応した。乳児用粉ミルクにはお湯が必要なため、電気ポットも持参したという。

 翌2日には、安全を考慮して、各客室の代表者1人にスタッフ5人が付き添い、20階までの客室を階段で何度も往復して荷物を運んだ。

 その後、通行可能な道路があるのか、社員が宿から金沢までのルートを確認し、宿のマイクロバスなどを総動員して金沢まで無事に送り届けた。

 加賀屋には「おもてなし日本一の宿」の呼び名が……

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