ANA総研と東京農大が連携協定結ぶ 人材育成で地域活性化を
2024年12月12日(木) 配信
ANA総合研究所( 㓛刀秀記社長、東京都港区)は12月11日(水)、東京農業大学(江口文陽学長、東京都世田谷区)と包括連携協定を結んだ。双方の強みを生かし、人材育成を加速することで地域活性化などに寄与していきたい考え。同日、両者は同大学で協定書の締結式を行った。
両者は人材の相互連携や交流、東京農大の研究をANA総研の業務に生かすことなど6つの協定項目に合意。ANA総研の知見を生かした学生たちへの実学教育やキャリア形成の推進を軸に、「総合農学」として幅広く社会的な課題解決に取り組む東京農大と観光振興などに取り組むANA総研が、親和性のある事業展開の可能性を追求する。
ANAグループと同大の関係は、2021年にピーチ・アビエーションと同大が包括連携協定を結んだことから始まった。両者は地方創生に向けた商品の共同開発などを行った実績がある。また、23年には同大とANAあきんどの共催で「産官学・地域連携HUB」シンポジウムを開いたところ。
協定の締結に際し、 㓛刀社長は「我われは2006年の創設以来、調査研究やビジネスの提案、観光振興、人材育成などに取り組んできた」と紹介。大学との連携については「ANAブランドを支えてきた豊かな講師陣が人材育成のお手伝いをしてきた。現在は40校と提携しており、今回で41校目。今回の提携で、航空業界のみならず、世界で活躍する人材の育成へ寄与していきたい」とし、「新たな価値を生み出し、相乗効果を発揮できるよう努めていく」と意気込んだ。
今後については、新たな価値創造の領域をさらに拡大していく考え。「知見を生かしたキャリア形成や観光振興に取り組む。学生が地方活性化に果たす役割は大きい。地方と学生、企業をつなげることが使命。今回は新たなチャンスを得た。新たな社会貢献の機会を捉えワクワクしている」と展望した。
江口文陽学長は「同大には1万3000人の学生がいる。総合農学としてこの関連だけで多くの学生を要しているのは珍しい。我われは全国の農産物や海産物などをどのように世界に発信するかを考えている」と述べた。今回の連携について「企業経営に大学の研究などを生かし、関係を深めていただければと思う」とし、「新たな化学変化が起こると期待している」と力を込めた。また、地域活性化にも触れ、「学生が地域に行き、語り部になる。それが各地で行えられれば地域活性化につながる」と言及した。