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WILLER EXPRESS、24年は増収増益に 人員不足への抜本的対策に着手

2024年12月17日
編集部:長谷川 貴人

2024年12月17日(火) 配信

WILLER EXPRESSの平山幸司社長

 WILLER EXPRESS(平山幸司社長、東京都江東区)は12月11日(水)、東京営業所でメディア向け戦略説明会を開き、平山社長が2024年の事業総括と25年の事業戦略を説明した。24年はコロナ禍前の19年の売上に及ばなかったものの一部の月は同年を超え、前年比では増収増益。2024年問題で深刻化する人員不足への抜本的対策に着手したと明かした。

 24年の販売席数は19年比16%減、前年比2%減を予測するものの、乗車率は前年比3.8ポイント増の85.0%、平均単価も同414円増の5334円となり、前年比で増収増益を達成する見込み。

 増収増益の外部要因として、ライブやイベント需要の回復による動員数の増加に加えて、ホテル代の高騰で夜行バスでの車中泊へ移行する新規客の増加を挙げた。このうえ、出発時間まで現地に長く滞在でき、交通費と宿泊代を安く抑えた分をグッズ購入に充てられることから“推し活”の遠征手段での利用が非常に増えていると話した。

 内部要因としては、データを収集・分析するBIツールを活用し、プライシング精度の改善による平均単価の引き上げのほか、QR乗車受付や新シートの配備拡大などのサービス改善が売上増につながったと示した。

 一方で、24年は酷暑により夏休み期間の需要が減退したことで8~9月の売り上げが前年割れ、単価の引き上げに伴うリピート意向の微減など課題が見えた。

 同社の乗客を対象にしたアンケートによると、満足度は前年より上昇傾向である一方、「WILLERを優先して利用する」というリピート意向が同2.3ポイント減の80.9%。原因について、単価引き上げによる負担感の増加を挙げ、とくにメイン顧客の10代や20代への影響が著しい。平山社長は「人件費や燃料費の高騰を考慮すると、安易な値下げは困難。現在の平均単価を維持しつつ、満足してもらえるようなサービス品質の向上が必要」との考えを示した。

給与引き上げなど、人手不足対策を強化

2024年の取り組みについて説明する平山社長

 2024年問題で深刻化する人手不足対策として、経由地を削減して乗務時間の短縮など運行ダイヤを見直したほか、バス運転手の平均年収を500万円から550万円に引き上げた。今後2年間をかけて、平均年収を600万円まで引き上げていく予定という。

 また、24年4月には、WILLER EXPRESSの運転手という仕事をブランド化する目的で、バス運転手の職名を「ハイウェイパイロット」に変更した。さらに5月、千葉県・芝山町(旧千葉営業所)に若手新人パイロット育成に特化した研修課程を実施する「WILLER LABO」を開設。約3カ月にわたる泊まり込みの新人研修のほか、指導者の教育や運行管理者の育成にも活用している。

25年は採用と人材育成、安全品質の底上げ注力

 25年の事業戦略では、採用・人材育成をさらに強化し、グループ全体で安全品質の底上げを進めていく方針だ。採用活動を拡大してWILLER LABOの受け皿を増やすほか、大型車経験者に向けた教育プログラム「LABO EXPERT」コースを設立。25年はパイロット30人の純増を目指す。

 安全面の対策では、営業所・会社をまたいで安全品質を維持・向上する取り組みが必要と主張。従業員・車両の管理台帳の機能や、事故や故障、健康情報などを一元管理する独自開発した営業所業務システム「RootS」を最大限活用し、整備や健康を起因とした事故の撲滅をはかるとした。

 平山社長は、25年に向けて「RootS」の外販に着手していると言及。そのうえで、「WILLER EXPRESSが課題解決のモデルでありたい。ノウハウを共有したい」と力を込めた。

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