日本酒列車を運行、260人が車内で土佐酒楽しむ、大阪モノレールや高知県など
2024年12月23日(月) 配信
大阪モノレール(佐藤広章社長、大阪府大阪市)と大阪モノレールサービス(生澤克彦社長、同)、高知県は12月14日(土)、同県の土佐酒や皿鉢弁当をモノレール車内で楽しむ「大阪モノレールの日本酒列車 高知よさこい号」を大阪空港―門真市駅間で運行した。
2025年大阪・関西万博のオリジナルデザインのラッピング列車「EXPO TRAIN2025 大阪モノレール号」を貸し切り運転し、昼間と夕方に2便設定した。各便定員130人が満席になる盛況ぶりで、車内ではよさこい演舞もあり、大いに盛り上がった。
筆者は午後4時40分発の第2便に乗車し、その魅力を取材した。
万博記念公園駅出発と同時に土佐酒で乾杯。県内にある19の酒蔵の土佐酒がすべてそろい、飲み比べが楽しめる。なかには、酒造りに欠かせない酵母を宇宙空間と水深6千㍍の深海で培養した「宇宙深海酒」もあった。お酌を互いにしていると、隣の人が「まけまけでいいですか?」と聞いてくる。「まけまけ」とは高知では溢れんばかりに注ぐことを言うらしい。つまり、「なみなみ」と同義なのだ。そんな楽しい会話もあり、和気あいあいとした雰囲気で、列車は進んで行く。
食事も豪華だった。カツオのたたきや宿毛ぶりの照り焼き、四万十ポークの生姜焼き、きびなごフライ・じゃこ天などが盛り込まれた皿鉢弁当が用意され、ついつい酒が進む。高知では宴会のことを「おきゃく」と呼び、皿鉢料理と酒でわいわい盛り上がるのがお決まりだが、その雰囲気を味わうことができた。
列車に同乗した県酒造組合認定の土佐酒アドバイザー森裕子さんは「2024全米日本酒鑑評会で高知の酒は19が金賞に輝き、金賞受賞数・率とも日本一になった。辛口のイメージが強い土佐酒だが、最近ではリンゴのような香りの酵母『CEL(セル)-24』や宇宙空間で培養した宇宙酵母を使うなど、さまざまな取り組みをしている」と話した。
また、中土佐町の漁師町である久礼(くれ)で大正時代から続く田中鮮魚店を営む田中隆博社長は「カツオは味にバラつきがあり選別が難しく、うちの店では6本に1本、20%弱は刺身に適さない。久礼はカツオの刺身で高い評価を受ける地域。徹底的にこだわった『土佐久礼かつお』を食べにぜひお越しください」とアピールしていた。
列車は約2時間で万博記念公園駅に戻った。同駅コンコースで同時開催していた観光物産展で、土佐久礼の冷凍カツオを買って帰ろうとしたら、すでに完売。残念だが仕方ない。KITTE大阪にあるアンテナショップ「とさとさ」で買うとするか。