マイナビグローバル、特定技能の退職理由「業務・職場の不満」が最多 外国人材定着へ対策も解説
2024年12月24日(火) 配信
マイナビグローバル(東京都千代田区)の杠元樹(ゆずりは・もとき)社長はこのほど、「特定技能外国人の退職理由と傾向」について語った。多くの企業で人手不足が課題となるなか、外国人材の定着率向上のために、日本の受入企業が行うことができる対策を解説した。
同社で支援する特定技能外国人350人を対象に調査を実施。国籍の内訳はベトナムが64.5%、インドネシアが18.3%、ミャンマーが12.9%、ネパールが1.9%、中国が1.3%だった。
退職理由(複数回答)は、「業務・職場の不満(31.4%)」が最も多かった。以降は「給与の不満(29.1%)」、「結婚・妊娠・母国の家族都合(21.4%)」、「人間関係の不満(15.1%)」と続いた。
「業務・職場の不満」を詳細に尋ねた結果、「業務内容が合わなかった・嫌だった」が52.7%でトップだった(複数回答)。次いで、「体力的についていけなかった(20.0%)」、「仕事量が多かった」(13.6%)の順となった。
杠社長は「企業側の『日本語能力を重視した採用』が大きな理由」と説明し、「業務の経験や親和性に重きを置き、選考してほしい」とした。日本語については、仕事を通じて能力を向上させる人が多いことから「成長を加味して採用してほしい」と受入企業に要望した。
「人間関係のどのようなことに不満を感じたか」(複数回答)では、「日本人の同僚との関係がよくなかった」が37.7%で最多。2位は「上司との関係がよくなかった」(35.8%)、3位は「同国籍の人がいなくて寂しかった」(11.3%)と続く。
杠社長は「給与や家族都合による退職は企業側の対応に限界がある。人間関係は対処しやすい」として、日本人との関係構築のため「特定技能人材と最も関わる時間の多い現場社員に、外国人材の必要性について理解を促してほしい」と話した。
職場における時間の厳守や場の空気を読むことについては、「日本人の特徴。文化的背景の違いを認識することで、(日本人スタッフの)ストレスも減る」とアドバイスした。
退職者の在籍期間は、10~12カ月が25.4%で最も高かった。この理由として、在留資格の更新期間が最大1年であることが影響しているという。続いて、7~9カ月(18.9%)、4~6カ月(14.9%)、1年1~3カ月(12.6%)、3カ月以内(7.7%)、1年4~6カ月(10.0%)、1年7~9カ月(4.0%)、1年10カ月~2年(同)、2年1カ月以上(2.6%)の順。
一方、1年目以降の割合は少ないため、「入社1年以内での職場環境や業務特性に合わせた対策が企業に求められる」と呼び掛けた。