【第35回北前船寄港地フォーラムin加賀・福井 ~北陸復興へ 地域の食と工芸品を世界に~】 北前船寄港地フォーラムを終え今後の方針を聞く
2024年12月25日(水) 配信
「第35回北前船寄港地フォーラムin加賀・福井」と「第6回地域連携研究所大会」が2024年11月21(木)~23日(土)に開催された。全国から国や自治体、観光事業社など約600人が出席し、震災復興や地域振興に向けて、連携や交流を深めた。
北前船交流拡大機構の浅見茂専務理事が11月26日(火)、大会を終えて、所感や今後の方針などについて語った。インタビュアーは内閣府地域活性化伝道師で跡見学園女子大学准教授の篠原靖氏が務めた。また当紙は同日、伝統的工芸品の世界進出に向けた具体策を欧州連合日本政府代表部の二宮悦郎参事官に聞いた。
篠原:今回は石川県加賀市と福井県福井市での開催となりました。
浅見:能登半島地震の復興のために、会員組織などが集まりました。参加者はこれまでにない規模で、600人を超えました。
初めて全52認定自治体が出席し、大変有意義な会にできたと自負しています。
前回の開催地である北海道の有志からお菓子500個を贈呈し、SGCの土屋会長が金の大会記念オブジェ「黄金の不死鳥」も寄贈したことで、これまで以上に地域に貢献することができたと感じています。
これをきっかけとして結束も強まり、出席者からはさらなる地域活性化に取り組む意志も伝えられました。
篠原:23日には福井県内でエクスカーションも実施しました。
浅見:福井県の副知事が県庁の会議で大変盛り上がったことを報告してくれるなど、関係者から大きな反響を得ることができました。
篠原:地域連携研究所に参画する自治体をどこまで広げますか。
浅見:今回は北海道根室市の紹介によって、新たな参加者として、富山県の県議会議員1人と黒部市の市議会議員6人が出席しました。
さらに、県知事に当日のようすを伝えていただきました。
今後、新しい自治体が加わり、口コミでさらに広がっていくと考えています。
篠原:今後の方針を教えてください。
浅見:今回、地元テレビ局や新聞社など多くのメディアに取り上げられ、これは新しい取り組みを発表できたことが主な要因だと捉えています。
このため、次回については、地元が事前に新たな施策を考案し、指導を受け、発表する流れを構築したいと考えています。
篠原:地方創生にどのように貢献していきますか。
浅見:3年前から伝統的工芸品の世界進出を掲げて活動しています。22年のフランス・パリ大会から取り上げ、世界への発信に向けて力を入れてきました。地域活性化に向けた具体策がカタチになってきました。
これを多くの事業者に提示することで、地域活性化に大きく寄与していきます。
――大会に参加する意義を教えてください。
二宮:北前船交流拡大機構と地域連携研究所は県を超えて連携できている数少ない運動体であり、具体的な取り組みが行われています。
日本政府が地方創生のための地域連携の必要性を強調するなか、私は対EU外交の窓口を担当する日本政府の立場として、2年前のパリ大会から参加しています。政府が推進するうえでの課題を明らかにしながら、地域活性化に向けた伝統的工芸品の世界発信の重要性を説明してきました。
――稼げる地域の実現に必要なことは。
二宮:現場に近い人が現地でアピールすることが有効だと考えます。備前焼の担当者が24年4月に開催されたミラノフォーリサローネで、ベルギーの美術商の経営者にアプローチすることができました。
今後も、日本政府として、伝統的工芸品の世界発信に貢献していき、地域活性化をはかっていきます。
□ミラノ出展目指す 都内で打ち合わせ行う
北前船交流拡大機構は11月26日(火)、東京都内で2025年4月にミラノで開催されるミラノフォーリサローネへの伝統的工芸品の出展に向けて、打ち合わせを行った。
伝統的工芸品を世界最大という家具見本市で発信することで、認知度向上をはかり、購買や訪日客の誘客による地域活性化へつなげる狙いだ。
同展は4月8~13日に開かれる。打ち合わせでは、必要経費や日程の案、出品候補となっている複数の工芸品を確認した。
今後、具体的な作品を決める。また、展示品の市町村を交えて、予算や会期中の詳細な行程を調整する。