OTOA新年会、5年ぶりに開催 「旅行業が外交そのもの」イン・アウト両輪の発展呼び掛ける
2025年1月9日(木) 配信
日本海外ツアーオペレ―ター協会(OTOA、大畑貴彦会長)は1月8日(水)、コロナ禍で実施を見合わせていた「OTOA新年会」を5年ぶりに開いた。
大畑会長は冒頭、「24年は旅行需要の回復が見られた。とくにインバウンドについては、訪日旅行客による消費が日本の経済を大いに活性化させた。しかし、インバウンドは外交関係や多くの外的要因によって大きく数字が変動する可能性がある。決して楽観視せず、誘致促進してほしい」と呼び掛けた。
アウトバウンドについては、「円安などが理由となり、残念ながら回復に時間が掛かっている。日本、アメリカともにリーダーが交代したことにより、今後ますます国際協力や外交の重要性が増す。旅行業界は、我われのビジネスがまさに国際協力、外交そのものだと認識している。インバウンドとアウトバウンドは両輪でバランスよく発展していくことが重要で、双方向での異文化交流を活性化させなければならない」と訴えた。
「コロナ禍以降、海外現地での費用が円安などの影響で大幅に増加した。ホテルやその他の支払いはグローバルスタンダード化しているため、先々のデポジット要求や、支払いタームが大きく変化している。約3年を掛け、OTOA会員へのアンケートを実施し、日本旅行業協会(JATA)のトップ層に現状をお伝えし、支払いの早期化とデポジットに対する柔軟な受け入れをお願いした」とし、旅行業界全体で海外旅行復活に向けて取り組んでいく意気込みを語った。
来賓として登壇した観光庁の鈴木貴典審議官は、「アウトバウンドは、昨年1~11月は1182万人となり、回復率はコロナ前19年の7割に満たない。今年こそ19年の水準か、これを超えるようないい年になれば。観光庁としても、日本人の国際感覚の醸成は国際相互理解の増進のためには、インアウト両輪の相互交流拡大が重要。海外教育旅行の推進や、関係機関・各国政府観光局との連携によってアウトバウンドの促進に努めていきたい」と話した。
JATAの髙橋広行会長は、「『海外旅行の回復なくして、旅行業界の復活なし』を合言葉にさまざまな取り組みを行ってきたが、今年こそはあらゆる手立てを尽くして海外旅行の完全復活を目指す」と力を込めた。また、「JATAでは、会員各社に対し、契約に則った適正な支払いの啓発を行ってきた。今後も継続して続けていく。安心安全で良質な海外旅行を提供するために、ともに協力し合って持続可能なビジネスモデルの構築を目指したい」とした。