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HIS、雇用調整助成金63億円を返還へ 受給要件満たさないと判断

2025年1月31日
編集部:木下 裕斗

2025年1月31日(金) 配信

矢田素史社長

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は1月27日(月)、2020年3月~22年12月に受給した雇用調整助成金について、要件を満たしていなかったと判断して、約62億6000万円を自主返還することを決めた。また同社の連結子会社で訪日旅行を中心に取り扱うナンバーワントラベル渋谷が、東京労働局から同期間に雇用調整助成金約1億1000万円を不正受給していたと判断され、返還を決議したことを発表した。

 HISは24年4月、同社の会計監査人への情報提供を受けて、調査を開始。この結果、受給対象としていた全従業員約170万日の休業日のうち約2割で、メールや旅行手配の基幹システムの操作が確認された。

 同社は時間単位でなく日単位で雇用調整助成金を申請してことから、「1件のメール返信でも、事実に即していない」として、当該日の全額を返金することを決定。今後、支給された約242億6000万円のうち、約62億6000万円を返還していく。

 1月27日(月)に開いた会見で矢田社長は「メール1通でも勤務にあたる認識を持っていた者は多くなく、経営陣の指導や助成金制度の理解が足らなかった」と謝罪した。

 またナンバーワントラベル渋谷は、就労した日を休業と偽るためのタイムカードを作成。東京労働局から支給の取消通知を受け、違約金を含め約1億3000万円を返すことを決めた。同社の社長だったランジャン・クマール・ダスデブ氏は、HISからの勧告を受けて、昨年12月26日付で社長を辞任している。

 なおHISは、雇用調整助成金を申請した連結子会社22社と過去の子会社10社の調査も開始した。これにより、昨年12月に予定していた24年度の通期決算の発表を延期している。

 矢田社長は「21年の子会社によるGo Toトラベルの不正事案後に再発防止策を講じてきたが、認識・管理体制が甘かった。より厳しい指導体制を構築していきたい」とし、「1日でも早く決算を発表できるよう経営陣一丸となって取り組む」と語った。

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