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“世界一の防災ツーリズム”へ「首都圏外郭放水路」で8つのパワーアップ計画始動

2025年3月14日
編集部:増田 剛

2025年3月14日(金) 配信

首都圏外郭放水路「調圧水槽」をライトアップ

 国土交通省関東地方整備局は、本格的な「防災ツーリズム」をスタートさせる。インフラツーリズム魅力倍増プロジェクトのモデル地区「首都圏外郭放水路」で8つのパワーアップ計画など、「災害の自分事化」10万人計画が始動する。

 首都圏の地底50㍍を流れる「首都圏外郭放水路」は、最先端の土木技術を結集して建設された世界最大級の地下河川。とりわけ“巨大地下神殿”と称される調圧水槽は、壮大なスケールが人気を集め、年間約6万2000人が有料の見学会で訪れている。

 激甚災害が頻発するなか、同省関東地方整備局の若手職員が中心となって、国民の命を守るために官民合同で「防災ツーリズム」のプロジェクトを立ち上げた。

 同PJでは、国民の防災意識を向上させる8つのパワーアップ計画を考案。その中核となるのが、首都圏外郭放水路に「観光」の視点を取り入れ、世界一の「防災ツーリズム」へと育てること。

 2019年度から「インフラツーリズム魅力倍増プロジェクト」に深く関わる跡見学園女子大学の篠原靖准教授は、「インフラを観光資源として活用することで、国民の防災意識の向上につなげたい。大人から子供まで楽しく防災の知識が身につけられる情報発信基地となれば」と語る。

「調圧水槽」見学会のようす

 年間10万人が訪れることを目標としたパワーアップ計画では、同省江戸川河川事務所が、防災の自分事化の伝道師として「防災コンシェルジュ」を認定する。さらに、新たに開発した「災害から命を守る自分事化カード」をすべての見学者に配布し、大切な命の守り方を丁寧に解説する。

 一方、観光的な要素を高めるため、巨大地下神殿をかつてない規模でライトアップし、光と音で異次元体験を提供する。

 このほか、「地下河川を歩くアドベンチャー体験コース」の設定や、世界のZ世代の10人に1人が遊んでいる大人気ゲーム「マインクラフト」の世界で、首都圏外郭放水路を再現するなど、遊びと学びを融合した試みにも挑戦する。

 文部科学省の学習指導要領に則った小学生向け探究学習プログラムの開発や、外国人観光客にも21言語で対応する計画。埼玉県や春日部市の新たな周遊観光の拠点化なども目指す。

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