「道の駅べに花の郷おけがわ」3月27日に開業へ 桶川市では初、埼玉県内では21番目の道の駅に
2025年3月26日(水) 配信

埼玉県桶川市(小野克典市長)が国土交通省と一体で整備を進めてきた「道の駅べに花の郷おけがわ」が3月27日(木)、グランドオープンする。市では初の道の駅となり、県内では21番目。中山道の宿場町として栄えた、同市の魅力を発信する“食のテーマパーク”として、地元の特産品や県産の食材をメインに使ったグルメや土産物、農産物などを多数そろえる。コンセプトは「人情と活気でおもてなし、温もり宿る桶川で、“食”と“人”とを繋ぐ」。
桶川市は県の中央部、都心から約40キロ圏内に位置。市の中央部をJR高崎線、中山道、国道17号が縦断している。面積は約25キロ平方メートル、人口約7万4000人と大規模ではないが、市の北部を横断する首都圏中央連絡自動車道(圏央道)のインターチェンジ(IC)が2カ所あり、広域交通網の結節点として高い交通利便性を持つ。今回の道の駅は圏央道の桶川北本ICから約700メートル、上尾道路沿いの立地。「高速道路の休憩施設の不足解消に向けた社会実験」の対象に選定されており、ETC2.0搭載車であれば、高速道路を一時退出して道の駅に立ち寄った場合でも2時間以内に再進入すれば料金は変わらず利用できるという。

道の駅が3月26日に報道関係者向けに開いた内覧会で、あいさつに立った小野市長は「約15年掛けてオープンにいたった」とし、開業を迎えられることを喜んだ。道の駅の狙いについては、①市の資源、地域の魅力を伝える情報発信の場②農商工業振興による販路拡大や6次産業化の推進③来訪者と地域の人々が交流する新たな憩いの場④広域的な防災拠点――の4つを掲げていると紹介。「外観は宿場町の情緒を取り入れたデザイン、内装はベニバナのカラーをイメージしたものに仕上がっいる」とし、市の特徴や魅力を前面に出したことを説明した。
今回は、施設の設計、建設から維持管理、運営までを一体で民間事業者に発注するDBO方式を採用。一体発注による事業費削減や事業者ノウハウを生かしたサービスの質の向上が狙い。受託したのは、全国で道の駅の運営などを手掛けるTTCグループ(静岡県熱海市)。桶川市とは15年の運営契約を結んでいる。実際の運営は子会社のベニネクスト(河越敬仁社長、埼玉県桶川市)が担う。

同社所属で道の駅駅長の中村鷹敏氏は「かつての宿場町として人とモノがつながる場所、集まる場所の想いを受け継いでいく。伝統的な桶川の祇園祭のように“わっしょい、わっしょい”と声が聞こえてくるような賑わいを創出したい」と力を込めた。「イベントスペースやドッグランを備え、地元の人も日常的に利用してもらえるよう総菜なども充実させる。隣接する学習センターや周辺には大きな城山公園もあり、大人から子供までエリア一体で楽しめる。ぜひ目的地として訪れてほしい」と呼び掛けた。
□道の駅べに花の郷おけがわ
施設の南側の物販エリアは生産者から届く農産物や土産品、総菜や弁当などが並ぶ。海なし県の埼玉だが、運営会社のTTCの本社が熱海で、海産物の飲食店も営んでいることから、産地直送の新鮮な魚介類や海鮮丼なども販売する。また、生ドーナツや総菜パンなどを扱うベーカリー、県産の牛乳や卵を使ったミルクスイーツ店なども並ぶ。

飲食エリアは「べに花の郷 桶まる大食堂」と「羽釜ごはん おむすびの郷」「オッケー桶川ソフト&クレープ」の3店舗が並び、約140席を備える。大食堂では、市で栽培されている「男気トマト」を使った麺類や、埼玉のブランド和牛「武州和牛」を使った焼き肉丼などをラインナップする。
道の駅の所在地は桶川市川田谷4324₋1。駐車場は大型含め計237台。営業時間は午前9時~午後5時。トイレなどは24時間利用できる。なお、3月26日の午後は市民を対象にプレオープンを行った。27日のグランドオープン日は午前11時からの営業となるので要注意。