案内士リストの一元化、品質担保誰が、いかに(通訳案内士制度のあり方検討会)
観光庁は7月8日、東京都内で第15回「通訳案内士制度のあり方に関する検討会」を開いた。業務独占廃止後、名称独占のみとなる同制度のあり方とランドオペレーターについて、旅行業関係者らが意見を出し合った。共通の認識として、業務独占廃止後の「品質の担保を誰が、どのようにして」を軸に、通訳案内士については、「リストなどによる一元化」などが、ランドオペレーターについては、「登録義務の必要性」と「品質保証の確保」などが主な議論の的となった。
現状の通訳案内士は、どの資格者がどの程度の語学レベルや専門知識などを有するか、顧客も業界も一元的に把握できていないため、需要と供給に齟齬が生じている。そこで、日本旅行業協会(JATA)の国内・訪日旅行推進部長の興津泰則氏は、「今後に向けて、語学別有資格者のリストの一元化をし、JATAのホームページで掲載する」などの意見を出した。これに対し、観光庁も「リストについては、今年度の予算措置をしてあるが、まだ完全な着手はできていない。各県で登録しているデータを一元化して、リスト化するなど、具体的にどうしていくのかは検討していきたい」と述べた。
また、悪質なランドオペレーターなどが多く、手配代行が旅行業法に適用されない状況などを踏まえ、登録義務やルールの明確化、取り締まりの強化などの意見が出された。さらに踏み込んで興津氏は「ツアーオペレーター品質認証制度」について言及した。
同制度は、業界内の自主規制として、企業の法令順守、品質管理やサービス水準、CSRの面から品質を評価。一定基準を満たした事業者のみを認証し、顧客に対して、品質保証や安心・安全を可視化する。「JATAで事務局を持っているが、直接は関与せず、第三委員会を設けている。いつでも国に譲る準備はできていて、手続きも進んでいる」と具体的な方向性を述べた。