地域の魅力を物語に、田川JTB会長が基調講演
JTB関東交流文化誘致協議会は6月7日、埼玉県内で総会を開き、基調講演では、JTBの田川博己会長が「『ツーリズムで地域を元気に』~地方創生としての観光振興の現状~」と題し講演を行った。田川会長は同講演のなかで、ツーリズムによる地域活性化を行っていくためには(1)文化(2)交流(3)経済(4)健康(5)教育――といった〝旅の5つの力”が必要であると主張。田川会長は「これからの旅のキーワードは『五感に訴えるシナリオづくり』で旅を創造することである」とし、地域の魅力を物語にしていくことが今後のカギになると述べた。
また、2020年に向けて、取り組むべき課題と方針として田川会長は、旅行会社と連携した地域プロモーションの実施を挙げた。その際に重要となることについて、「複数年化による継続的な予算措置が必要」との考えを示した。観光による地域活性を行っていくには、「一過性ではなく、それなりに時間をかけて行っていくべきだ」とまとめた。
さらにこれからのツーリズム産業に求められる人材像について、「ツーリズムに関わる人たちは、稲刈人(与えられたものしかできない)から開墾人(新しい発想力)になってほしい」と語り、自身の入社当初のエピソードを報告した。
田川会長は新たな市場が誕生すると、そのことに満足し、稲刈人になる人が多くなる傾向について触れ、「国内需要などは5―6年で終わりを迎えるものではない。やはり持続性が大切なので、次の20年、30年を見据えて開墾の意識を忘れないでほしい」と伝えた。