“ブッキングサイト”から“マッチングサイト”へ、OTA市場で差別化はかる(楽天トラベル)
楽天トラベルは8月8日、各報道機関を対象に、トラベル事業の概要や企業理念の説明会を催した。
山本考伸トラベル事業長は冒頭、「重要なことは、他のオンライン旅行会社(OTA)と差別化をはかること。宿泊施設自らが、ユーザーに情報を届けることができるプラットフォームを目指している。楽天トラベルで検索すれば、自分に最適の宿に出会える“ブッキングサイト”から“マッチングサイト”への転換をはかっていきたい」と語った。楽天グループの企業理念「人々と社会をエンパワーメントする」ことを実現するとともに、OTA市場でのさらなる躍進を目指す考え。
国内営業を統括する羽室文博副事業長は、「楽天トラベルでは、宿泊施設が主体的かつリアルタイムに価格を決められる仕組みをつくってきた」と語り、宿泊施設自らが集客に取り組むという、旅行会社の送客に頼る従来のビジネスモデルからのパラダイムシフトを実現してきたことを強調した。 パートナーである宿泊施設の事業効率化に対してもソリューションを提供しており、電話での予約対応代行を、日本語と英語、中国語で行っている。決済サービスの利便性向上もはかっており、キャンセル料徴収の確かな仕組みづくりや、カード決済手数料の引き下げを行っている。DMOの取り組みにも積極的で、「せとうち観光推進機構」への職員の派遣を実施しているという。
フェイスブックなどSNSが普及するなか、OTAに頼らず、インターネットを利用したマーケティングや集客を行う宿泊施設が増加する傾向に対して、山本事業長は「“ブッキングサイト”から“マッチングサイト”へという言葉が示すように、楽天トラベルを使えばユーザーにぴったりな宿に出会えることを目指している。そのため、システムのバリアがなくなるにつれて、楽天トラベルはマッチングサイトとしての価値をより高めていくことになる」と展望を語り、同事業のビジネスモデルに対し自信を示した。
なお、高野芳行副事業長からはインバウンド戦略について、国際事業とアクティビティ事業などについては、幅屋太国際営業部長と安田博祐国内トランスポート・アクティビティ事業部長から説明が行われた。