快眠枕を全客室導入、吉夢と日本橋西川が共同開発
千葉県鴨川市の小湊温泉「満ちてくる心の宿 吉夢」はこのほど、寝装寝具の日本橋西川とコラボレーションして、オリジナル仕様の快眠枕「4ウェイまくら」(製造=西川産業)を共同開発し、8月4日から全客室に導入した。
これまで使用していた枕については経年劣化が見受けられ、昨年5月ごろに客室清掃担当者からも「へたれが酷い枕が相当数ある」ことを指摘され、また、そば殻枕に関しては、とくに修学旅行客のアレルギー対策で「そば殻以外の枕を用意して欲しい」という要望があり、他客室から枕をかき集めて交換対応していた時期もあった。
今回のオリジナル枕の導入にあたり、田仲重郎経理部長は「各種素材・高い・低いなど各メーカーの枕を取り寄せて、実際に自分でも試してみて試行錯誤を繰り返しながら、ほぼ1年かかった」と話す。
「枕検討時からのテーマで人によって硬いものを好む・柔らかいものを好む・高い方がよい・低い方がよい、と人それぞれに好みがあるなか、まさに枕は睡眠に直結する要素だと気づきました。本来であれば、お客様一人ひとりの頭の高さを計測して、お客様に合った枕を提供できるサービスがベストですが、客室が100室を超えるような大型宿泊施設にとっては現実問題としてそれもハードルが高かった」と田仲部長。
なかなか理想の枕にめぐり会うことができず、時間だけが過ぎて行くなか、今年2月に開催された「国際ホテル・レストランショー」で西川産業の出展ブースに立ち寄ったところ、試作品段階の「4ウェイまくら」を発見した。
「お客様が驚く今まであるようで無かった枕、快眠できる枕――これが探し求めていたものではないかとピンと来ました。すべての人には満足できなくても4パターンあることである程度の満足は得られ、納得して眠りにつけ、清々しい朝を迎えられるような、そんな枕を作っていただけませんか?とかなり無理な注文をいいました。そのなかでようやくでき上がったのが今回導入した枕です」とコメントした。
「吉夢」という館名から、「快眠」には相当こだわりを持っているのだろうと考え、質問を投げかけると「吉夢はよい(吉日)夢をみていただけるようにとの思いも当然込められています。お客様がホテルにお越しいただき、料理・サービス・施設もそうですが、当館は快眠・熟睡、そして朝の目覚めというテーマもあります。過去には特別室にシモンズベッドを採用し、別亭改装時には日本橋西川にデュベを特別に発注しました。すべてはお客様の笑顔のためです」(田仲部長)と即答された。
吉夢オリジナル仕様の「4ウェイまくら」については、製造元である西川産業・商品第2部まくら課の穴澤康二課長に話を聞いた。「枕の高さや硬さは人それぞれに好みはバラバラです。枕の両面と前後を使って4パターン選べる枕を開発しました」と話す。「4パターンの選び方は枕の横に付いているタグに表示し、誰でも一目でわかるように工夫しました。首と肩と後頭部の3つの部位の圧力バランスで心地よい睡眠をサポートする三点支持理論を実践した快眠枕で、今回の吉夢さんとの取り組みでは、より良いものを使いたいということで枕の中には極細0・8デニールのマイクロファイバーと、消臭効果が期待できるというフラボノイドを練り込んだパイプ素材を使用しました。市販している枕とは中身が違うので、吉夢さんだけのオリジナル仕様の快眠枕が誕生しました」と語った。
商品に関する問い合わせ=日本橋西川・商事部 電話:03(3271)7575。