1%減の72兆2990億円、親のゆとり度が子供に影響、15年の余暇市場
日本生産性本部(茂木友三郎会長)余暇創研は7月14日、東京都内で「レジャー白書2016」の概要発表を行った。15年の余暇市場の規模は72兆2990億円となり、前年比1・0%減となった。ただ、市場規模が突出して大きいパチンコ、パチスロを除くと同1・2%増で、3年連続のプラス成長となる。
余暇活動参加人口の順位では、「国内観光旅行」が5年連続の首位。前年に比べ参加人口が100万人増加し、5千万人を超えたものはこの種目のみ。また、「ジョギング、マラソン」の人気が復活し、前年は28位だったが、19位まで順位を上げた。参加人口も50万人増えて、2190万人となった。
余暇市場動向は、スポーツ部門が同1・9%増と微増で、4兆240億円を計上。スポーツ用品は、スポーツシューズが同5・9%増の1970億円、ウェアは同4・2%増の2750億円と好調。フィットネスクラブは同1・6%増の4390億円で、過去最大の市場規模へと拡大した。さらに、スポーツ観戦料も同5・4%増の1560億円と大きく伸びた。
また、今年は例年の調査では取り上げていなかった5―14歳の子供の余暇に焦点を当てた調査を実施。子供の余暇活動に影響する要因として、親の時間面と支出面のゆとり度の増減について、注目した。
親自身の余暇時間が増えたと回答した場合、「ボウリング」、「ジョギング、マラソン」などのスポーツや「絵を描く、彫刻する」など、時間をかけて取り組む創作系の種目で子供の参加率が高くなっている。一方、減ったと回答した場合、「音楽鑑賞」、「スポーツ観戦(テレビ除く)」などの観賞系の種目が目立った。
子供1人当たりの平均参加種目数は、余暇時間が増えたと回答した場合、13・3種目で、減った場合は12・4種目となった。
親の余暇支出が増えた場合、「温泉施設」、「動物園、植物園、水族館、博物館」、「遊園地」などの観光、行楽系の種目で子供の参加率が高くなった。一方、余暇支出が減った場合は、「ソーシャルゲームなどのオンラインゲーム」、「読書(勉強など除く)」、「ドライブ」などで、比較的安価にできる種目が並んだ。
親の余暇支出が増えた場合、子供の平均参加種目数は13・9種目、減った場合は12・9種目となった。
また、2016年度版には新項目として「ヨガ、ピラティス」を追加。「女性を中心に中高年が参加しているが、まだ伸びる余地があり、一度始めるとある程度習慣化する可能性がある種目」と初年度の調査を振り返った。