インバウンド観光のベンチャーピッチ、日観振
日本観光振興協会(山口範雄会長)は10月18日に、インバウンド観光ベンチャーピッチを東京都内で開いた。当日は、ベンチャーの支援に尽力するトーマツベンチャーサポート(吉村孝郎社長、東京・八重洲)が、進行役を担当した。プレゼンテーションを行ったのは、百戦錬磨とシュアール、ナイトレイ、Nextremer、MATCHA、Paykeの6企業。民泊から聴覚障がい者対応まで、情報通信技術(ICT)を活用したソリューション提供を担う注目のベンチャーが集まった。
日本観光振興協会の久保成人理事長は、「今回は、ベンチャーピッチという形で企業連携を深める場を設けることができた。ぜひ積極的な交流を行っていただきたい」とあいさつした。
合法民泊の先駆者として有名な百戦錬磨の上山康博代表は、「Web上でのマーケティングをしっかり行っていくことも大切。外国語で発信される趣味嗜好に関するワードを、丁寧にリスティングしていく必要がある」と語った。民泊解禁新法の提出は、2017年の通常国会へと先送りされたが、インバウンド取り込み増を狙うためにも、民泊への期待は依然大きい。
厚生労働省認定の手話通訳士による遠隔手話通訳サービスを提供するシュアールの大木洵人代表は、「現在、ホテルや駅、金融機関などでサービスが利用されている。インバウンド対策にも対応していきたい」と語った。同サービスは、コールセンターにいる通訳士と、手話利用者をWebカメラ搭載の端末を使いオンラインで結ぶもの。通訳士を通じて、自治体や企業は、手話利用者と円滑なコミュニケーションを行うことができる。JR東京駅でも同サービスは活用されている。
現在国連が中心となって、手話通訳サービス事業者の連携を促す取り組みが行われており、例えば、タイ語の手話からタイ語、日本語の順番で翻訳を行うことも可能だという。
高度な位置情報データの解析技術を有するナイトレイの石川豊社長は、インバウンドの行動傾向を可視化する“inbound insight”を紹介した。
MATCHAの青木優社長は自社のWebマガジンを、Paykeの古田奎輔CEOは、既存の商品バーコードをスキャンするだけで、商品情報を利用者の母国語に翻訳できる技術について解説した。