ネーミング
「ジュエリー・アイス」という言葉を最近聞いた。北海道の十勝川河口で厳冬期にだけ見られる氷塊だ。陽を浴びて美しく輝く氷は、昔から時期が来るとそこにあったはず。だが注目されたのは、数年前から。地元写真家の命名がきっかけだ。
見ごろを迎える京都の紅葉。実相院の「床(ゆか)もみじ」も想像ふくらむネーミングだ。学生のころ、京都へ通ったが、そんな素敵な光景があるとはつゆ知らず。気になり記事検索サービスで調べたら、初出は06年だった。今夏は言葉に誘われ、「みどり」の方を見てきた。
冬の金沢で、モノトーンの雪景色に映える群青色の壁。当コラムを書きながら、この美しさが伝わるいい名前がないかなと思う。名づけを待っている風景や場面はきっとあります。
【鈴木 克範】