旅館軒数4万661軒、減少に歯止めかからず(16年3月末時点)
旅館減少に歯止めかからず――。厚生労働省が11月17日に発表した2015年度「衛生行政報告」によると、15年度末現在の旅館営業軒数は前年度比3・0%減の4万661軒と1年間で1238軒減少した。14年度の減少数と比べると、226軒少ないものの、依然として旅館減少の流れに歯止めがかからない状況が続いている。
一方、ホテル営業軒数は同0・9%増の9967軒となり、88軒増加。10月30日に訪日者数が2千万人を突破し、訪日外国人観光客が急増していることも、ホテル営業軒数が増加した要因の1つと考えられる。宿泊軒数(簡易宿泊施設、下宿含む)は前年度に比べ、379軒減少し7万8519軒だった。
客室数でみると、旅館は前年度比8363室減の70万1656室となった。ホテルは同1万1744室増の84万6332室と大幅に増加し、ホテルと旅館の客室数の差は14万5千室近くと、依然としてその差は広がり続けている。
山小屋やユースホステル、カプセルホテルなどの簡易宿所は2万7169軒と前年度の2万6349軒から820軒増加した。下宿は722軒で前年度の771軒から49軒減少した。
都道府県別にみた旅館軒数は、静岡県が2769軒で最も多く、以下は(2)長野県(2363軒)(3)北海道(2285軒)(4)新潟県(1926軒)(5)三重県(1450軒)(6)福島県(1380軒)(7)栃木県(1295軒)(8)山梨県(1279軒)(9)東京都(1209軒)(10)千葉県(1177軒)。前年8位だった栃木県が、山梨県を抜き7位に浮上。東京都も順位を1つ上げ9位となった。
一方ホテル軒数の上位は(1)東京都(682軒)(2)北海道(679軒)(3)長野県(520軒)(4)兵庫県(423軒)(5)福岡県(397軒)(6)大阪府(387軒)(7)静岡県(377軒)(8)沖縄県(372軒)(9)埼玉県(364軒)(10)神奈川県(332軒)の順となった。前年1位の北海道と2位の東京都の順位が入れ替わったほか、前年7位の大阪府が静岡県を抜き6位となった。
政令指定都市の旅館軒数は、大阪市が371軒と昨年1位の京都市を抜き1位。以下は(2)京都市(369軒)(3)名古屋市(245軒)(4)熊本市(184軒)(5)浜松市(170軒)。
一方ホテル軒数は、(1)大阪市(307軒)(2)札幌市(177軒)(3)福岡市(171軒)(4)京都市(163軒)(5)横浜市(136軒)の順となった。