要件緩和 着地型促進へ、ランドオペに罰則整備進む(新たな旅行業法制検討会WG)
観光庁は11月25日に東京都内で、第2回「新たな旅行業法制に関する検討会」ワーキンググループを開き、中間とりまとめ(案)を提出した。地域限定旅行業などの登録要件を緩和し、着地型旅行の促進をはかる。ランドオペレーターは新たな区分の登録制を導入し、禁止行為や罰則整備を進める方向性を示した。
地域限定旅行業と第3種旅行業の1部は業務範囲が限定されている。現行は隣接市町村までだが、旅行業法施行規則で、観光庁長官が定めた区域でも業務は可能。この規定の運用を進め、観光実態に沿った地域設定へと緩和する考え。
旅行業務取扱管理者は試験と設置義務を見直す。地域限定旅行業者が取り扱う旅行に限った試験を新たに創設する。
管理者試験は安全に関する知識などのため実施。一方で全国の地理などの出題は、各地域で行う着地型に必要ないと判断した。管理者は営業所に1人以上の設置義務を、一定の条件で複数営業所兼務を認める方針だ。
旅行業者代理店業の登録要件も改める。ホテル・旅館などが着地型商品の販売拠点になるように、代理店制度を改正。複数社からの商品取扱いを解禁する予定。ただ、旅行者の安全確保なども踏まえ、1社専属制は継続していく。
ランドオペレーターは新たな規制の枠を設けるため「交通サービスや宿泊サービス、通訳案内士の手配などを業務とする事業者」と定義した。訪日旅行と国内旅行の手配が対象になる見通し。
消費者に直接関係しないBtoB業務であることを踏まえ、営業保証金は不要となる見込み。旅行業登録も義務ではなく、国や関係機関が旅行業登録を促す、にとどめた。
登録をしない事業者には新たな区分の登録制度を導入することで、実態把握や指導が行える体制を整える。過度な規制ではなく、必要最低限の規制にしていく構えだ。
具体的な資格は明示されなかったが、資格者の設置義務を課す。管理者制度をそのまま適用せずに、研修で資格が取得できるなどの方法も示された。
旅行者の安全を担保するため、旅の手配に禁止行為を設ける。旅行地で法令違反が起こるような手配などで、必要に応じて観光庁などが処分を命じる。
罰則は違反したランドオペレーターや無登録のランドオペレーターに対して整備する。ただ、無登録のランドオペレーターと取引した旅行業者らにも、それぞれの法律に基づき適切に処分を行う考えだ。
着地型の措置とランドオペレーターの法案提出は、今年度中の実施が閣議決定済み。
同庁は中間とりまとめを受け、早急に制度設計に取り込む。
【平綿 裕一】