海旅3.3%増の65万人、13年以来3年ぶり増加へ(JTB年末年始旅行動向)
JTBはこのほど、年末年始(12月23日―17年1月3日)に1泊以上の旅行に出かける人の旅行動向を発表した。これによると、海外旅行人数が前年同期比3・3%増の64万6千人と、2013年以来3年ぶりに増加することが予想された。増加要因としては、今年4月以降、燃油サーチャージがなくなり、為替レートが昨年よりは円高傾向に転じたことなどから、海外旅行に行きやすい環境になっていることが挙げられる。
一方、国内旅行人数については、同2・2%減の2930万人と減少する見通しだ。
アンケート調査によると、1人あたりの旅行費用は、「2万円以下」が49・4%と昨年よりも6・3ポイント増加。同アンケートで「昨年と今年の年末年始の違い」を聞いたところ、休みに関して今年は、日並びの悪さが影響し、「昨年より休みが取れそうにない」が11・6%、「昨年より長く休みが取れそうだ」は9・7%となった。
アンケート調査から旅行の交通手段をみると、「乗用車」が前年同期比2・1ポイント減の66・9%と最も多く、鉄道は「新幹線」が同1・5ポイント増の14・2%、「JR在来線・私鉄」が同1・3%減の8・8%となった。
また、宿泊場所については、「旅館」「ホテル」「民宿」「ペンション」を合わせると同0・3ポイント減の44・6%で、「実家」と回答した割合は同2・3ポイント減の45・3%となった。
国内旅行は昨年に比べてガソリン代が上昇基調であることなどから、乗用車の利用率は減少しているが、高速・長距離バスやLCC(格安航空会社)の利用は増加傾向にある。利用宿泊施設は、民宿・ペンション・公営施設などが増加している背景から、今年の年末の旅行支出は慎重な面がみられ、国内旅行平均費用は同9・6%減の3万900円になる見込みだ。出発日のピークは、12月31日の見込みだが、クリスマスを含む3連休(12月23―25日)も東京ディズニーリゾートや、伊豆・箱根方面などの近場を中心とした旅行に出かける傾向が高まっている。
海外旅行は、今年の暦上で年末年始の休暇が短くなっていることから、長期休みを取らなくても行くことのできる中・近距離の旅行や、料金の安い時期を選んで旅行する人が多くみられる。これにより、海外旅行平均費用は同4・7%減の20万7千円になると予想されている。出発日のピークは29―30日となる見込みで、ハワイやアジア方面は23日の出発も多く、年内に出発し、年内に帰国する人も多くなると予想されている。
人気方面は、12月21日にハワイアン航空の成田―コナ線が就航するハワイや、韓国、台湾などの近距離のアジア、今年日本との外交関係樹立50周年を迎えたシンガポールの人気が高まっている。
同調査は、航空会社予約状況と業界動向、同社グループの販売状況、1200人へのアンケートから推計。アンケート調査は11月2―14日に、全国200地点の15―79歳までの男女を対象に実施した。