“海旅復活”に総力、IRの概念づくりを(JATA 田川会長)
日本旅行業協会(JATA)は1月6日、田川博己会長による新春記者会見を行った。2月には、“アウトバウンド促進協議会”を立ち上げる予定で、海外旅行復活に向け、業界一丸となった取り組みを加速させる。会見では、“プレミアムフライデー”や、人材育成、統合型リゾート(IR)整備推進法案をめぐる発言にも注目が集まった。“アウトバウンド促進協議会”は現在、会員を募っている最中。100社ほどを目処に、2月には設立会見を行う。民間の総力を集め、海外旅行復活を果たしていく構えだ。
国内旅行やインバウンドについては、「日本遺産などの活用が大切になってくる。それら、ユニークベニューを用いた商品造成は、旅行会社の得意分野だ」と、企画力による差別化に期待を寄せる。また、国内外のリピーター創出や、受入体制の品質向上も課題だと述べ、デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーション(DMO)をはじめ、地域マネジメントを担う人材育成の必要性を指摘した。
人材育成について、「まだ見たこともないようなデスティネーションを見つけることが旅行会社の取り組むべきこと。五感を使ってデスティネーションを体験し、企画力を高める“閃き”や“勘”を育てる必要がある」と強調。労使関係については、「しっかりと対応をし、働きがいのある業界づくりを目指していく。日本人の休むことに対する意識改革も促していきたい。観光先進国となっていくためにも必要だ」と語り、業界活性化という観点から意見を述べた。
2月24日から導入される消費喚起を目的とした“プレミアムフライデー”に対しては、特化した商品造成に注力する。
IR整備推進法案を巡っては、「まずはIRの概念をしっかりとつくることが大切。例えば、カジノに限らず、医療ツーリズムなどを行う場所もIRの1つに含まれるはずだ」と語り、議論の深化に期待を示した。