20年度営業収益493億円に、新中期経営計画を発表(日本旅行)
日本旅行(堀坂明弘社長)はこのほど、2017―20年度までの新たな中期経営計画「VALUE UP 2020」を策定した。激変する消費者ニーズには、「マーケット・インの取り組みで確実に捉える」(堀坂社長)とし、グループの強みを創り出すことで価値向上をはかる。4年後の20年度には単体の販売高は16年度見込み比で7・2%増の4400億円、営業収益は同9・1%増の493億円、営業利益は同40・0%増の7億円、経常利益は同37・5%増の11億円を目指す。
【増田 剛】
13―16年度までの中期経営計画「ACTIVE2016」について、堀坂社長は「営業収益ベースでは少し目標に届かなかったが、営業損益ベースでは目標をクリアできそうだ」とし、「いいかたちで(丸尾和明会長から)引き継いでもらった」と語った。
新たな「VALUE UP 2020」では、需要の拡大と同社の強みを生かすことができる「インバウンド」に加え、教育旅行、MICE、BTM、インターネット販売を引き続き中核分野と定める。これら成長可能性が高い分野の販売高を12年度の1193億円から、最終年度の20年度には2379億円と倍増させる。さらに、「地方創生事業」を法人営業、個人旅行営業、インバウンドに続く第4の柱に成長させる考えだ。本社に地方創生推進本部を設置するほか、東日本、中部、西日本の各営業本部にも専任体制を整える。
法人営業は、とくに首都圏や京阪神エリアなど大都市圏での展開を強化する。
個人旅行営業では、インターネット販売の強化を中核に、顧客拡大とリピーター化に向け、Webとリアルの融合を推進していく。また、AIを活用した「対話型の自動対応システム」の導入によって、コールセンターの業務効率化なども視野に入れる。
企画商品では、JR西日本「おとなび・ジパング」会員をはじめ、シニア層や女性を重点顧客層に据える。
国内旅行は西日本、北陸エリアを最重点に、JRセットプランへの取り組みを徹底する。一方、海外旅行はスペイン、ベトナム、カナダ、オセアニアを、ナンバーワン戦略国と位置づける。
人材の活性化にも取り組み、モチベーションアップへとつなげていく。同社スタッフの20代では7割、30代の6割を女性が占める現状を踏まえ、「女性社員がさらに活躍できる働きやすい環境の整備」にも着手する。具体的には、添乗の外注化や時短化、在宅勤務も取り入れ、改革を進める。