松園教授が最終講義、国際観光学部へ道筋(東洋大学)
東洋大学国際地域学部国際観光学科の松園俊志教授は1月21日、白山キャンパスで最終講義を行った。
同大の観光学教育は、日本の観光学部・学科で最も長い歴史を持つ。短大観光学部が創設されたのは東京オリンピックの前年の1963年。松園氏は短大観光学部の黎明期から48年間にわたり教鞭をとり、3月に定年退職を迎える。
東洋大学は今年4月、国際観光学部が新設されるが松園氏は学部化を強力に推進してきた。また、日本国際観光学会の会長を長く務めるなど、日本の観光学教育の“生き字引”的な存在。最終講義「観光学概論:日本の観光学教育の潮流」には学生のほか、観光関係者ら多数が会場を埋め尽くし、耳を傾けた。
松園氏は、フランス有給休暇制度の研究で培った知見をもとに、大手ゼネコンと組んだ日本の「リゾート法」が、「その後の日本の観光文化や観光産業に大きな被害を与えた」と批判。さらに、日本のサステナブル・ツーリズムの第一人者と評する同大・島川崇教授と、「サステナブル・ツーリズムをどう定着させるかを研究してきた」とし、「2017年は国連のサステナブル・ツーリズムの国際年に当たる。東洋大学国際観光学部は、その理念を教育に積極的に組み入れる代表格になれる」と締めくくった。学生たちには「海外に出ることで日本を冷静に見ることができる。語学を鍛えて留学し、海外で単位を取ることが大事。また、たくさんの本を読むことで人間が豊かになる」とアドバイスした。
翌22日には、東京都文京区のホテル椿山荘東京で「感謝の集い」も開かれた。