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十勝バスの事例紹介、2次交通のプログラムを(観光ビジネスコンサルタンツ)

西川丈次氏が講演
西川丈次氏が講演

 観光ビジネスコンサルタンツの西川丈次代表は昨年12月19日に神奈川県横浜市で、十勝バス(野村文吾代表、北海道帯広市)の成功事例などを紹介する説明会を開いた。十勝バスは2011年、40年ぶりに利用者が増加し、以後順調に業績を伸ばしている。西川氏は着地型観光の課題に2次交通を挙げ、十勝バスの事例を取り入れたプログラムなどを紹介。参加者らに利用を呼びかけた。

 野村代表は代表就任後、業績改善を目指してきた。段階的に合理化をはかり人件費は6割削減した。ただ「会社を続け地域の足は守れたが、抜本的な問題の解決に至らなかった」と話した。改善に向けては営業強化を実施。エリアを絞って路線周辺の戸別訪問を行ったほか、小学校で「バスの乗り方教室」を開き啓発活動も行った。

 新たな商品造成にも力も注いだ。顧客らの声に耳を傾け完成したのが「日帰り路線バスパック」。路線バス沿線上の施設を組み合わせただけの商品だが、顧客は観光や用事を足す目的で利用する一方、バス会社は「固定経費」で実施可能な商品構成だ。「観光交通と生活交通の一体化で、生活交通を支えられる」とし、地方バス事業者が目指すべき姿だと強調した。

 次に登壇した西川代表は、これらの取り組みを分析した結果(1)商品力(2)販促力(営業力)(3)人間力(接客)――の計3つの力の必要性を説いた。このうえで事業目的を「創客」に置くべきだと強調。顧客を創り続けて、利益が付いてくるという正しいやり方、順番で行うことを参加者らに訴えた。

 商品力は路線バスのどこで乗降しても良い「自由度」を生かし、販促力で顧客へ周知する。人間力でリピーターやSNS(交流サイト)の口コミなどを増やすことなどが重要だと説明。「リピーターは人にしかリピートしない」と述べ、リピーター創客が最終的に売上を恒常的に高めるために必要だと語った。

 ビジネスコンサルタンツではこれら十勝バスの取り組みを分析した「手引書」をバス事業者に提供し、実務コンサルティングも行っている。

 最後にIoT型ソリューションを提供するユニ・トランド(高野元社長、東京都品川区)が登壇。目的地検索型のバス路線検索サービス「もくいく」や、バスの現在の位置情報が分かる「バスロケ」などを開発している。さらに乗降センサーとバス位置情報サービスを合わせ、即時に乗車人数を把握できるサービスも開始した。

 路線毎の実態の可視化することで、ダイヤ最適化や経営改善に寄与していく考えだ。

十勝バス・野村文吾代表の説明も熱が入る
十勝バス・野村文吾代表の説明も熱が入る

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