2次交通不足解消へ、東北の訪日需要の扉開く
松島や平泉を結ぶ、実証運行スタート
岩手県平泉町、宮城県東松島市、松島町の1市2町は1月25日、2016年7月に民営化された仙台空港から、日本三景の松島・奥松島と世界文化遺産の平泉を結ぶガイド付き直行バス「仙台空港・松島・平泉線」、「仙台空港・松島/奥松島観光周遊バス」の実証運行を開始した。同バスは1市2町の共同による「仙台空港2次交通運行調査業務事業」として実施され、実際の運行、情報発信、利用者情報調査などは、業務委託を受けている岩手県北自動車(松本順社長)が行う。
【松本 彩】
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岩手県北自動車が業務受託
同バスは、仙台空港から、松島や平泉など自然・文化観光地への誘客をはかり、東北におけるインバウンド需要の新しい扉を開くものと期待されている。同日行われた出発式で、松島町の櫻井公一町長は、「東北の観光は全国的なインバウンド急増の流れから大きく遅れており、東北観光における2次交通不足が課題となっていた」と報告。同事業の開始を受け、今後東日本大震災の影響で遅れていた、東北への訪日外国人観光客の誘客促進が望まれることから、「遠方からはるばるやってこられる訪日外国人観光客の方が、より便利に目的地に到着でき、多くの東北の魅力を知っていただくことで、東北ファンが増えていくと期待している。継続した事業となるよう検討していきたい」とあいさつした。
運行事業を担う岩手県北自動車の松本順社長は業務委託に関して、「今回このような大役を仰せつかったからには、旅行エージェントの皆様方の力を貸していただき、自治体や、仙台国際空港、エアラインの皆様方のご支援もいただいて、東北の王道ルートの旅をできるだけ沢山の人たちに楽しんでもらえるように全力で取り組んでいく」と意気込みを述べた。
出発式終了後、午前11時に「仙台空港・松島・平泉線」の第1便が仙台空港を出発。第1便には、多くの外国人観光客も乗車した。「仙台空港・松島・平泉線」と「仙台空港・松島/奥松島観光周遊バス」は、松島海岸までは1日5往復、奥松島・平泉へは1日2往復運行する。5月からは、フリーWi―Fiやバスガイドによる外国語ガイダンスも導入予定。
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岩手県北自動車バスガイドの松尾迪代さんに、同事業への想いを聞いた。
――今回、「仙台空港・松島・平泉線」の第1便のガイドを担当することに決まったときの気持ちを教えてください。
出発式の日にガイドをやらせていただけるということで、とても緊張はしていますが、これからこのバスが、安定して運行できるように、頑張らなければいけないなという気持ちでいっぱいです。お客様に楽しんでいただけるように頑張っていきます。
――今回のルートで松尾さんおすすめの観光地は。
私は海が好きなので、松島を一番おすすめしたいです。今の時期だからこそ、雪景色もあわせてみることができると思うので、一押しです。