庄交グループに観光研究所、着地観光で外客誘致推進
山形県鶴岡市を拠点とする庄内交通グループはこのほど、外国人旅行客の誘客を目指し、観光分野の調査研究を担う「庄交価値創造研究所」(國井英夫理事長)を設立した。バスや旅行部門(庄交トラベル)と連携し、着地型観光に注力する。市が主要施策として進める鶴岡型地域DMOの受け皿として機能させたい考えだ。
昨年日本を訪れた訪日外国人旅行者数は約2404万人と、過去最高を更新した。一方、鶴岡市は14年に、ユネスコ創造都市ネットワークの食文化分野に加盟。昨年は農林水産省が訪日外国人旅行者の観光ルートとしてPRする「食と農の景勝地」に認定されるなど、インバウンド推進の機運が高まっていた。
1月24日には鶴岡市内のホテルで設立披露パーティーが開かれ、約250人が参加。新会社の船出を祝った。
國井理事長は「今後の成長は、バスと旅行の両事業の融合によるインバウンド推進にかかっている。グループの総力を挙げて取り組む」と新会社設立への決意を伝えた。来賓として尾関良夫東北運輸局長、細谷知行山形県副知事らが駆け付け、祝辞を述べた。
研究所のアドバイザーには、宮野直生出羽三山神社宮司、佐藤嘉高山形県観光物産協会専務理事らが就任した。長坂紳一社長は「日本遺産に認定された出羽三山の商品化に向けた提案など、半年に1度は発表の場を設けたい」と語った。