金沢市に1200会員集結、国内活性化フォーラム開く(ANTA)
全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は3月3日に、石川県金沢市で「第12回国内活性化フォーラムinいしかわ」を開いた。全国からANTA会員約1200人が集り、新たな観光素材の発掘や地域観光の活性化などに向け、結束・連携をはかった。
二階会長は「昨今は自然災害の影響を受け、社会インフラ整備の必要が叫ばれている。地域の安心安全はもとより、観光振興に極めて重要な政策の柱だ。今後はまさに国民運動としてともに進めていきたい」と会員らに訴えた。
開催地の石川県は昨年支部が50周年を迎え、一昨年は北陸新幹線が開通。同県支部長の北敏一地元実行委員長は「北陸新幹線が開通して3年目を迎え、正念場となる。ぜひ北陸地方にもう一度目を向けていただきたい」とあいさつした。
基調講演には観光庁審議官の瓦林康人氏が登壇。着地型観光はインバウンドを地方に長く滞在させるために「非常に重要なツールだ」とした。
政府は今通常国会で旅行業法の一部改正を提出した。地域限定の旅行業務取扱管理者の資格制度の創設や、旅行業務取扱管理者の複数営業所兼務が緩和される見通し。裾野を広げ新規参入、活性化をはかっていく。
記念講演は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗元首相が行った。「2020年東京オリンピックの最大の狙いは、『復興日本』の発信だ」と強調。東日本大震災や熊本地震など、近年は自然災害で計り知れない打撃を受けた。一方で諸外国からボランティアや義援金など多くの支援があった。「世界の皆様に感謝しなければいけない。日本はおかげでここまで元気なったという姿を見せることが大事だ」と開催の意義を語った。
このほか、明治維新鹿児島送客キャンペーンと「学生がつくる石川県の着地型旅行プランコンテスト」の表彰式が行われた。学生コンテストでは北陸学院大学短期大学部2年の林優里さんと善田麻珠子さんらの「金沢イケメン観光❤❤」が最優秀賞を受賞した。
そのあと、國井一男副会長から北陸石川県送客キャンペーンが提案され可決した。12月末までに「3万人以上の送客を目標とする」と発表した。
次回の国内活性化フォーラムは18年2月14日に高知県で開催予定。引継式では四国地方支部長連絡会議長の山中盛世氏が壇上に上がった。同県での開催は初めて。
今年から再来年にかけ「志国高知幕末維新博」が開幕する。山中氏は「この節目の年に国内活性化フォーラムが、高知県で開かれるのは大変意義があり、ありがたいこと」と述べ、歓迎の意を示した。