4段階の認証マーク、“おもてなし”を見える化(経産省)
経済産業省は4月3日から、おもてなしの品質に4段階の認証マークを交付し、「見える化」する「おもてなし規格認証」制度を始める。消費者と事業者間の好循環を促すことで、サービス産業の生産性向上を狙う。インバウンドと国内需要の喚起も目的の1つ。品質チェック項目は全部で30項目あり、インバウンドへの取り組みを重要視している。
「日本のおもてなし」を世界に発信することを目指す同制度。将来的には温泉協会や観光協会など地域単位の認定も導入し、観光地のおもてなし力向上に活用する考えだ。
運営や制度管理をサービスデザイン推進協議会が行い、同協会が認定した10社が認証機関として認証業務を行う。
認証にはチェックシートが用いられ(1)情報提供(2)設備(3)職場などの環境改善(4)業務改善(5)ツールの導入・用意(6)顧客理解・対応(7)人材育成――の7分野30項目の取り組みをいくつ実行できているかで判断される。有償認証の「紫認証(3ツ星)」が最も認証基準が高く、次いで「紺認証(2ツ星)」、「金認証(1ツ星)」と続く。
「紅認証」は、自己診断で30項目中15項目がクリアしていれば無償で申請が可能。マークと認定書が交付される。16年8月から試験的に「紅認証」の認証を始め、現在までにサービス業や宿泊業など約1万件以上が登録している。
「金認証」は、専門審査員が現地調査を行い、15項目以上の実施が確認できると認証される。
「紺認証」は、人材要件も付加され、従業員のおもてなしのスキルが審査対象となる。21項目以上が実行されていることに加えて、外国人覆面調査員の調査と、専門審査委員の現地調査を経て認証される。おもてなし研修などを通じて人材育成を行っていることが必須。そのうえで、「外国語版近隣マップの用意」など9項目あるインバウンド向け項目への注力もより一層求められる。
最上位の「紫認証」は24項目以上が実行されていることに加え、認定機関による審査・表彰を経て認証。2年に1度サービス産業生産性協議会が実施している、「日本サービス大賞」の候補企業としてノミネートされる。