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観光地の再生へ、マスタープラン作成を提案(観光産業革新検討会)

事務局が提示したマスタープランで目指す仕組み

 観光庁は3月31日、東京都内で「第3回観光産業革新検討会」を行った。今回の検討テーマは(1)観光地の再生活性化の方策について(2)方策実現のための仕組みづくり、支援等について――の2点。観光地の再生活性化策について、事務局は地域の宿泊施設のプラットフォームを作成し、宿泊施設を核とした魅力ある観光地づくりのマスタープランを作成する必要性を提案した。

 事務局が提示した資料によると、地方自治体における観光政策の有無について、日経リサーチが303の自治体に調査したところ、約7割の自治体が、作成済みとの回答を示した。具体的な政策の内容に関しては、「観光地PR活動」が82・3%、イベント開催が69・8%と上位になっており、「観光地開発(36・3%)」や「宿泊施設の整備(16・7%)」に関する施策は各自治体とも少ないことが明らかになった。観光地の開発や宿泊施設の整備を行っていくためには、「人材の確保」が不可欠になるが、回答した多くの自治体で、観光振興を推進していけるような人材が不足している状況だ。

 これらの現状を踏まえ、事務局が提案したのが「宿泊施設をコアに周回性を実現した新しい観光地経営」である。これまでは宿泊施設や観光施設をバラバラに周遊していたのに対し、事務局が提示した観光地経営策では、マスタープランを策定し、宿泊施設が地域の核(プラットフォーム)となって仕入れやPRを行い、各観光施設などと連携し滞在してもらえる仕組みづくりに取り組んでいくものだ。

 観光地の再生活性化案を考えてはいるものの、金銭面で余裕がない自治体も多い。そのような場合でも、具体的なマスタープランを作成することで、ふるさと納税や、クラウドファンディングなどの投資によって、資金調達がしやすくなるという。

 事務局が提示した案について、検討委員のAAE Japan社長の石井恵三氏は「宿泊施設がマスタープランを作るのに必要なことは、海外の成功事例を活用すること」とし、海外の成功事例を参考に、どのような顧客がどういった観光地にいくのかなど、ビジネスモデルをしっかりと分析することの重要性について意見した。

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