新会長に佐藤和志氏、次世代へ〝和の文化〟継承
日本の旅文化を創る会が50年
朝日旅行「日本の旅文化を創る会」(398会員)は3月22日、東京・新宿の京王プラザホテルで2017年度通常総会を開いた。任期満了にともなう役員改選では、佐藤和志氏(鶴の湯温泉)が新会長に選ばれた。佐藤好億会長は名誉会長に就任した。
佐藤好億会長は50回を迎えた総会に先立って、「この会は個性あふれる仲間が集まってスタートした。50年を1つの区切りに、次の世代へ〝和の文化〟を継承する時期がきた」と述べ、「我われの進む道は次世代を担う皆さんの双肩にかかっている。朝日旅行らしい旅のあり方を考えていきたい」と語りかけた。
佐藤和志新会長は、さまざまな分野の会員が集う同会の可能性の高さについて触れ、「会の皆さんと一緒に盛り上げていきたい」と就任のあいさつをした。
17年度は昨年度に続き、人材育成や事業継承に向けた研修会を実施する。また、温泉検定講座の開設については、専門委員会を中心に収益が得られる仕組みづくりなどを継続的に検討していく。
総会では、日本の宿を守る会(36会員)、日本秘湯を守る会(173会員)、日本文化遺産を守る会(26会員)、日本源泉湯宿を守る会(45会員)――の4部会が活動報告を行った。
来賓の朝日旅行の鶴田隆志社長は「会員にとってなくてはならない会であるために、我われの役割をつねに考えている。新年度以降、組織も変え、新たな息吹を吹き込み、宿の繁栄を支えていきたい」と力強く語った。
総会後の講演会では、「誰にも真似できない宿づくり」をテーマに、忘れの里雅叙苑、天空の森主人の田島健夫氏(鹿児島県・南きりしま温泉)が登壇。田島氏は「旅館が提供する和食も工業製品になっている」と嘆き、そのうえで「私たちは次の世代に何かを残さなければ、このままでは日本はガタガタになる」と危機感を滲ませた。