法改正の理解深める、貸切バス関連で説明会(ANTA東京都支部)
全国旅行業協会(ANTA)の東京都支部、東京都旅行業協会(駒井輝男会長)は4月10日に東京都内で「貸切バスに関する関係法令などの改正」説明会を開いた。昨年1月15日の軽井沢スキーバス事故以降、政府は多くの法令を改正。旅行会社も理解を深める必要があるが内容は多岐にわたる。当日は関東運輸局の担当者らを招き、項目ごとに密な説明がなされた。
【平綿 裕一】
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政府は軽井沢スキーバス事故対策検討委員会で、昨年6月に総合的な対策を打ち出した。今回はこのうちの(1)許認可(2)運行管理(3)監査(4)観光――関係を解説した。
道路運送法の一部改正で、事業許可の更新制を導入。5年ごとに確認する。さらに新規許可・更新許可申請時に「安全投資計画」「事業収支見積書」が必要になる。
この2つで安全への投資や計画の裏付けとなる収支を確認できる。債務超過や赤字が続けば許可は下りない。
監査機能向上もはかる。民間指定機関の巡回指導など行うため、負担金徴収制度を創設した。今年8月の運用を見通している。一方街頭監査では、違反があればその場で自動車の使用停止となる。
一般監査も「輸送の安全確保に関わる重大な法令違反」があれば、即日全自動車の使用停止。安全の確保命令に従わなければ許可取消になる。
法定刑を強化し、法人重科も創設した。これまで違反者と法人ともに100万円以下の罰金だった。改正後は(1)違反者が懲役1年・150万円以下の罰金(2)法人は1億円以下の罰金――と大幅な強化をはかった。
貸切バスの運行管理関係では安全性を担保する。今年の12月から、ドライブレコーダーの映像記録・保存や、記録を活用した指導・監督を義務付ける。
運行管理者の資格要件も厳しくする。これまで2通りあったが、試験合格者のみに限定した。必要選任数は30両に1人だったものを20両に1人にし、最低2人以上とした。
観光関係ではランドペレーター関連法案を今通常国会に提出済み。登録制を創設し、管理者の選任、書面交付などを義務付ける。