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ビールで地域創生、キリンが食と体験を発信

古田氏(左)と地域のプロデューサー(中央3人)、
林田氏(右)
い手を育て全国でつなぐ「キリン地域創生トレーニングセンタープロジェクト」はこのほど、ビアツーリズムを始めた。食を通じた地域体験と、昨年キリンビールが売り出した「47都道府県の一番搾り」を組み合わせた。ビールを共通項に各地域の食の魅力を伝える。1つの基準で求心力を強めて全国展開し、新たな商機を探る。

 具体的なビアツーリズムの受付や販売を行う事務局は丸の内トラベルラボだ。今年1月にウィラーが開設した。食・旅・地域を研究して、統合的な支援を行う機関となる。今回は地域が考えるコンテンツをプロの目線でサポートし、実際の商品へと作り上げる。地域までの交通はウィラーが提供する。

 ウィラーとラボは、コンテンツの作成から情報発信、2次交通、フォローアップまで総合的に行う。一貫したプラットフォームで支援する仕組みづくりをはかった。

 「これまで地域からの発信は弱かったが、ビアツーリズムを通して全国に届けられる。さらに今回はキリンさんのチャネルで告知も可能だ」。同プロジェクトを運営するumariの古田秘馬代表は3月24日の会見で、新たな仕掛けに期待を示した。 

 そもそもキリンが行う同プロジェクトの根幹に、2011年の東日本大震災がある。

 同社は仙台工場が被災し、同7月から「復興支援 キリン絆プロジェクト」を開始。さまざまな支援を行ってきた。

 その後「東北復興・農業トレーニングセンター」を13年から始めた。東京からの人的支援と農業者をつなぎ、関係を構築してきた。とくに農業経営者の育成支援に力を入れた。

 この経験を生かし全国で広めるため、昨年4月に同プロジェクトを実施。食文化から新たな価値を創造する地域の「プロデューサー」を、これまで100人ほど輩出した。

 ビアツーリズムはこれらの活動の中で自然と持ち上がってきたという。

 キリン執行役員CSV本部CSV推進部長の林田昌也氏は「我われがつくるビールを通じて、地域を元気にしていきたい」と想いを語った。

 今回のビアツーリズム第1弾で、全国8カ所のツアーを造成した。同日の会見で3人のプロデューサーがツアーを紹介。新潟県・長岡から来た食文化プロデューサーの鈴木将氏は「ビアツーリズムで外から人を呼び込めれば、地元の人が元気になる」と期待を寄せた。

 今後は第2弾が続けて発表される見通し。一過性で終わらないために「地域が稼げる仕組みをつくる」(古田氏)ことが課題となる。

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