JCLA協議会設立へ、貸切バスら攻めに転じる
全国の貸切バス事業者が連携し、横断的縦断的な協働営業をはかる。南薩観光(菊永正三社長)らがJapan Coast Line Alliance(JCLA)協議会を設立した。今回9社が参画し、今後は15社ほどになる見通し。FIT向けの全国周遊型商品も作り始めている。これまで貸切バス事業者の営業活動は受け身だった。JCLAを呼び水に攻めに転じたい考えだ。
「旅行ニーズも変化してきた。既存のチャンネルを維持しつつも、一歩先に進む活動も行うべき」。発起人の菊永氏は4月19日の設立会で、設立への想いを語った。さらに「国内外に営業をかけていく。これから貸切バスが生き残るために必要な方針だ」と積極的な姿勢を鮮明にした。
SIC(周遊バス)事業で、欧米豪のFIT・富裕層などをターゲットに、30日間ほどで日本全国を巡る商品を計画している。
商品販売は旅行会社向けのBtoBと、FIT向けのBtoCの両輪を回し、「直売の強み」を保持していく狙いだ。代金決済のシステムも構築済み。
団体客はASEAN・欧米諸国を中心に商品の造成・販売を展開。販促パンフレットやWebサイトでのプロモーションも実施していく。このほか、貸切バス相互の協働販売を行う。7月から九州・四国間で商品を展開する見通し。
一方コンプライアンスも徹底し、セーフティマークの取得も努める。安全安心のため適正運賃を守る。経営基盤を整えることで、営業への力を生み出すことにも注力していく。
なお、国土交通省自動車局と定期的に意見交換の場も作る。地方の貸切バス事業者の実情や現状を伝えたい考えだ。