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経済効果は5905億円、MICEで観光に追い風も(観光庁)

2015年国内の国際会議の経済波及効果は約5905億円に上る――。観光庁はこのほど、数値の算出を初めて行い「日本経済にもたらす影響は大きい」と期待感を示した。算出と合わせ聞き取り調査も実施。外国人参加者の約68%が「開催前後に観光予定がある」と答えた。国際会議を含むMICEの誘致が観光消費の追い風になりそうだ。

 外国人参加者は3大都市圏で観光する割合が高く、宿泊日数も伸びる。外国人参加者の平均宿泊数は約6・0泊だったが、3大都市以外は1―2割ほど低下した。「3大都市以外は滞在や観光活動を促す情報提供やプログラムを作ることが重要だ」と指摘。

 国連世界観光機関(UNWTO)の観光サテライト勘定(TSA)によれば、内部観光消費は3045億円だった。このうち外国人参加者のみは462億円。国際会議の地方開催で、地域の活性化にもつなげたい考えだ。

 世界の国際会議の情勢も報告された。15年の開催件数は06年比で約1・4倍。ただ参加平均人数は1・3倍で、小規模化が進んでいる。

 これに伴いホテルでの開催が拡大。15年の開催件数は3倍以上になった。「小・中規模の会議に対応でき、パーティーなどを行える点が需要と合致した」とみている。

 ヒアリングでもホテルは開催に好意的だ。「収益面だけでなく、人材育成でもメリットがある」(JRホテルクレメント高松担当者)。英語で打ち合わせやハラル食などへの異文化対応が「貴重な経験になる」という。

 一方で日本は国際会議の誘致対策に遅れが目立っている。アジア・中東・オセアニア地域の開催件数シェアは、直近10年間で18・4%から15・4%に落ち込んだ。上位10都市の開催件数を比較すると東京は8位(80件)で、1位のシンガポール(156件)の約半数だ。伸び率も中位につけた。

 新興国などの都市が誘致を強化するなか、盤石な地位を築けていない。「都市のポテンシャルに見合う存在感があるとは言い難い。一層の対策が必要」との見解を示した。

 今回の「MICEの経済波及効果及び市場調査事業」は日本政府観光局(JNTO)の基準に沿う国際会議2847件を調べた。今年度には企業会議と企業の報奨・研修旅行、展示会も調べ、同調査と合わせて、MICE全体の経済波及効果の算出を行う見通し。

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