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仏誌「ZOOM JAPON」の情報も発信 ― 海外メディアと提携、世界とつながる

2017年6月1日
編集部

 フランスでは、紙媒体に書かれた記事は、ネット情報に比べて高い信頼性を勝ち得ているという。また、日本ではそれほど根づいてはいないが、フリーペーパーが市民権を得ており、有力なジャーナリストや高名な作家も記事を寄稿する。

 パリを歩くと、日本人が立ち寄りそうなレストランや公共の場所に「Ovni(オブニー)」というフランス在住、あるいは同国を観光する日本人向けの新聞に出会う。私も2年前に同紙を手にして大変興味を持ち、スーツケースに入れて日本に持ち帰った。

 本紙は間もなく、フランスの日本専門情報誌「ZOOM JAPON(ズーム・ジャポン)」の最新情報や翻訳記事を掲載する予定だ。実はズーム・ジャポンはオブニー紙から派生した雑誌なのだ。編集長のクロード・ルブラン氏はフランスでも著名な編集長で、日本好きが高じてフランスをはじめ、英国やイタリア、スペインでも日本専門情報誌を発行している。

 現在、本紙は台湾の旅行専門誌「旅奇(TRAVEL RICH)」と提携し、毎月11日号で翻訳記事を紹介している。今度は、欧州で最も日本への関心が高い・フランス人の視点から、日本に関する情報も翻訳して紹介する。「欧州各国にPRしたい」と考える自治体や、旅館・ホテルなども少なくない。日本とフランスの“橋渡し役”の一端を担えたら、うれしい。

 先日、北陸に在住の観光関係者と話をしていたときのことだ。「東京の地下鉄や電車に乗ると、みんなスマートフォンばかりを見て、新聞や雑誌を読んでいる人がほとんどいないことに驚きました。私は電車で本を読んでいたのですが、なんだか時代遅れのような、少し恥ずかしい感じがしました」と言うのだ。そこにいたのは、私を含め、

旅行ガイドブックなど紙媒体を発行する編集者3人。捉え方の違いに驚いてしまった。

 私など編集者3人の一致した意見は、「電車の中でスマートフォンを眺め続けることは少なからず恥ずかしい感覚を持っている」ということだった。

 逆に、本を読む方が断然知的なのだ、と強調した。

 ありとあらゆる情報や知識が、手のひらに握るスマートフォンからほぼ無料で得られる。わざわざ書店に行って、書籍を購入するよりも、ネットで検索した方が早いし、お金もかからない。数千円もする「ハイエンド」な専門書籍を読むことは、知の分野への貪欲な投資と冒険(旅)に外ならない。

 本社は現在、紙媒体の「旬刊旅行新聞」に加え、フェイスブック、そしてこの1カ月の間に、新たな試みとして、ツイッターやインスタグラム、ブログなどSNS(交流サイト)での情報を積極的に発信し始めた。 国内だけではなく、世界中の読者とつながるには、「新たな発信手段が必要だ」と判断したためだ。現在、ホームページのリニューアルに向けても動き出している。

 私たちは日々、観光業界の方々と接している。伝えなければならないことがたくさんある。より多くの人たちに有益と感じてもらえる情報を発信したいと思う。旅行・観光業界の専門紙ではあるが、より広く情報発信ができる仕組みづくりが急務となった。だが、そのためにはまず、観光業界で一番愛される新聞を目指して、頑張っていきたい。

(編集長・増田 剛)

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