研修受講は5年に1度、WGを併設し早期施行へ(通訳案内士検討会)
観光庁は6月30日に「新たな通訳案内士制度のあり方に関する検討会」を開いた。全国通訳案内士の研修は省令で年1回以上行い、5年に1度は必ず受講させる方向性を固めた。研修は無資格者と地域通訳案内士も受講できるようにする。今後は検討会WG(作業部会)も併設し、政省令などの枠組みを構築し早期施行を目指す。
新通訳案内士法で全国通訳案内士の研修期間は3―5年とされているが、事務局は5年に1度の期間を提示。観光地域振興部観光資源課長の倉持京治氏は「負担を軽減するため」と説明した。研修は対面での実施を基本とするが、海外にいるガイドなどにはeラーニングを用いることも検討していく。
新法では5年の研修受講期間を過ぎれば、登録が取り消される。ただそもそもの法改正にはガイドの量的な不足が一因にある。改正後は欠格しても業務は可能で、圧迫する規定は資格者の減少につながる要因になりかねない。同庁は「登録を復活させることもあり得るかもしれない」と制度に幅を持たせる可能性も示唆した。
登録研修機関の制度設計は既存の旅行業法事例に倣う。登録手続きや、登録事項、業務基準のほか、申請書類なども、旅程管理研修を実施する登録機関の規定に合わせ、省令で定めていく。
研修で使用する教材など基準については、今後作業部会を通じて検討。同庁が告示した基準を満たした教材を提出してもらう方向で進めていく。
登録研修機関の更新期間は政令で3年とする。「我われでしっかりと監督していく」。同庁は登録研修機関の業務が適正か更新の審査にも注力していく構えだ。
一方で「通訳案内士情報検索システム」を現在構築している。各都道府県に情報をあげてもらい、オンラインで研修状況を把握できる仕組み。有資格者への研修通知などは各都道府県に一任すると負担が多い。今後同システムを活用する考えも示し「施行までに詳細を詰めていく」とした。
なお、観光振興部長の加藤庸之氏は同庁の体制強化について報告。「現在は約150人体制だが、7月1日で一気に100人増える。今後は250人体制で、スピード感を持っていく」と述べた。