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No.467 インスタグラム×お祭り×アナリティクス、地域へ集客、ベンチャーが実現

2017年7月21日
編集部:謝 谷楓

インスタグラム×お祭り×アナリティクス
地域へ集客、ベンチャーが実現

独自の発想と高い技術力で、自治体といった大組織では着手し難い分野にチャレンジするベンチャー企業。IT(情報技術)化とグローバル化が加速するなか、集客力や競争力を高めるためにも、ベンチャーの持つ創造性は味方に付けたいところ。今回、SNSの活用から、お祭りを通じた地域活性、位置情報解析まで、集客に直結する分野で活躍するベンチャー企業が集まり、地域を盛り上げる施策や、連携の可能性を語り合った。ベンチャーならではの発想を取り込むキッカケにしてほしい。

【司会進行・構成=謝 谷楓】

 

【座談会参加者】
石川 豊 社長 ナイトレイ
加藤 優子 代表 オマツリジャパン
松重 秀平 執行役員 テテマーチ

※順不同

 ――SNS(交流サイト)の活用を通じて期待できる成果について。

松重:テテマーチは、SNSのなかでもとくに、インスタグラムに特化したサービスを提供しています。インターネット上で写真コンテストを開くことのできるキャンペーンCMS(コンテンツ管理システム)「CAMPiN」を提供し、主に地域の観光協会が利用しています。
自治体が指定したハッシュタグを付ければ、誰でも気軽に地域の景色やお祭りのようすを発信し、写真コンテストに参加できます。閲覧者の共感を誘い、訪れたいと思ってもらえるキッカケとなるため、来訪者の増加を期待できます。
一例ですが、栃木DC(デスティネーション・キャンペーン)県央地域分科会の場合、写真コンテストに地域住民も参加してもらえる工夫をしました。その結果、地域の魅力を再発見することができました。例えば、地域の養蜂園で販売しているジェラートの写真が投稿され、インスタグラムで共感を呼んだことがありました。地域住民が、ガイドブックにも載っていないコンテンツを見つけて発信し、知名度や集客アップに貢献できたのです。

加藤:インスタグラムでの投稿を促す秘訣はありますか。
実は以前、インスタグラムを利用し、お祭りの写真コンテストを行ったことがあったのですが、投稿数が思うように伸びなかったことがありました。

松重:ポスターやフライヤーを利用してPRする自治体もありますが、“フォトジェニック”な場所など、環境づくりから始めることが大切です。写真コンテストでは、優勝者に特産品をプレゼントするなど、インセンティブを通した投稿喚起も必要です。撮りためた写真を眠らせている方の投稿を誘うことにもつながります。

 ――共感を通じて来訪を募る取り組みと、位置情報の解析は相性が良いと思います。ナイトレイとの連携の可能性について教えてください。

石川:2社の連携は十分可能です。例えばキャンペーンを行う際、企画理由の裏付けとして、ナイトレイの位置情報解析データを活用できるのではないでしょうか。
ナイトレイが提供する「インバウンド インサイト」では、訪日外国人旅行者の位置情報にフォーカスし、国籍のほか、口コミや写真といったSNSの内容から、旅行者がどこで何に興味を持っているのかを把握できます。データに基づいた、地域ごとの滞在人数の推移や、来訪者数の予測も行うことが可能です。

 ――活用事例を教えてください。

石川:自治体のインバウンド担当者だけでなく、イベントやキャンペーンの企画を提案する広告会社の方々が利用する機会が多いですね。客観的なデータに基づく解析結果を知ることができるため、企画内容をもう一歩引いた視点で俯瞰できるのです。企画したキャンペーン設計自体をブラッシュアップすることも期待できます。

 ――お祭りを主催する際、ターゲットの設定時に利用できそうですが。

加藤:ターゲットの選定について、意識する方としない方がいて、地域によって温度差があるようです。さまざまな施策を行い、チャレンジを続けるなかで、次の一手が分からないという自治体がとくに興味を持つのではないでしょうか。
外国人に対し、ブランドを訴求したいと考える企業は多いため、「欧米系/30歳代男性が集まる地域はどこか」を知りたいという需要は高いはずです。ナイトレイが行う解析結果を伝えることで、企業と自治体の連携をサポートできるのではないでしょうか。

――自治体と企業をつなぐ役割も、オマツリジャパンは果たしているようです。

加藤:オマツリジャパンではほかにも、企画運営といったお祭りのプロデュースや、訪日外国人旅行者向けの、お祭りを楽しむツアーを催しています。青森県のねぶた祭りに参加してもらうなど、地域の方々との交流を通じ、日本の“粋”を体感してもらうよう努めています。…

 

※ 詳細は本紙1678号または7月27日以降日経テレコン21でお読みいただけます。

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