地元産品の再建支援、新事業創生と販路拡大へ、ふくしまみらいチャレンジPJ
「ふくしまみらいチャレンジプロジェクト」は6月に2年目を迎えた。同事業は2011年の東日本大震災以降に、避難指示などの対象となった同県被災12市町村の事業者を支援するもの。地元で親しまれる産品や伝統工芸品の再建を後押し、新たなビジネスの創出と、販路拡大をはかる。1年目は52事業者を支援。2年目は倍増の100以上の事業者を目指す。^t【平綿 裕一】
福島相双復興官民合同チームと連携し、経済産業省の委託事業「17年度地域経済産業活性化対策委託費(6次産業化等へ向けた事業者間マッチング等支援事業)」の取り組みとして、ジェイアール東日本企画が受託し運営している。
対象は(1)田村市(2)南相馬市(3)川俣町(4)広野町(5)楢葉町(6)富岡町(7)川内村(8)大熊町(9)双葉町(10)浪江町(11)葛尾村(12)飯舘村――の被災12市町村。地域の持続的な経営確立・産業創出を目指し、まちの復興をサポートする目的がある。
支援はヒアリング後に事業者ごとに方針を検討・決定し、具体策を講じる。例えば昨年度は専門コンサルタントを派遣することで、商品力強化をはかった。
既存商品の名称やパッケージデザイン、キャッチコピーなどを改良。マーケティングやブランディングも見直した。首都圏などで「ふくしまみらいチャレンジキャラバン」の特設コーナーを設置。支援を通じて開発・改良された商品を中心にテスト販売を実施した。
一方、伝統工芸品の存続にも力を入れた。「大堀相馬焼」は避難先で原料入手が困難となった。派遣した専門家は「新しい大堀相馬焼」を提案。現在入手可能な原料の使用や、現代のライフスタイルに合わせた新作開発をアドバイスした。
この取り組みで生まれた「新たな大堀相馬焼」は、全国規模の「テーブルウェアフェスティバル」に出展するまでに至った。このほか事業者間のマッチング交流会も開くなど、昨年度はさまざまな手を打って出た。
被災から6年経ったが、帰還や移転後の事業再開は難しさが残る。引き続き被災12市町村のより多くの事業者を積極的に後押しして、再起をはかる。