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出国税を検討か、財源確保に動き(観光庁)

2017年8月17日
編集部

 政府は観光立国の実現のため、新たな財源確保を狙い、水面下で動き出している。欧州主要国や米国、豪州ではすでに出国税などを観光関連の財源などに回す例もある。好調な訪客に水を差しかねないとの声もあるが、先進例を参考に幅広く検討を進める構えだ。

 明日を支える観光ビジョンに「財源確保の検討を行う」との記載がある。出国税について、観光庁の田村明比古長官は7月の定例会見で「(諸外国の事例など)現在は勉強している段階」と発言。検討中の具体的な事例については明言しなかった。

 一方、各国では取り組みが進んでいる。例えば、米国では短期の観光・商用目的のビザを持たない外国人から、電子渡航認証システム(ESTA)の申請手数料14米ドルを徴収している。2010年に徴収を始め、このうち10米㌦(約1100円)を観光促進の財源に充てている。

 仮に日本で同様の仕組みを取り入れれば、昨年度のインバウンド総数約2400万人に対して、1人1100円を徴収すると、264億円ほどの財源になる。観光庁の17年度当初予算(255億9900万円)とほぼ同額の大きな数字になる。

 7月28日の会見で国土交通省石井啓一大臣は「幅広い選択肢を検討している」と述べている。インバウンドが好調な分、旅行者に負担になる制度は、慎重にならざるを得ない。今後は各国の事例を参考に財源確保策を練っていく考えだ。

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