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鹿児島でセミナー、組織で食物アレルギー対策を、130人が参加

中原別荘の食物アレルギー対応メニュー

 旅館・ホテルが宿泊客に提供する料理の食材に含まれる卵や乳製品、小麦、エビなどが原因で、さまざまな症状を引き起こすアレルギーへの対応策を考えるセミナーとアレルギー対応の料理試食会が7月18日、鹿児島市内のホテルで開かれた。セミナーは鹿児島県観光誘致促進協議会(中原国男会長)とJTB九州観光ネットワーク推進協議会鹿児島地区会(中原明男会長)、JTB協定旅館ホテル連盟鹿児島支部(同支部長)が主催。県内の旅館・ホテルの経営者、料理長など約130人が参加し、専門家の講義に熱心に耳を傾けた。

 旅行のなかでも、教育旅行では、食物アレルギーを持つ生徒や親にとって食事が一番の心配。宿泊施設も、安心・安全な料理を提供することが最大の使命といえる。

 JTB旅ホ連保険を扱うJTB旅連事業(大西雅之社長)がまとめた、同社が扱った16年12月から17年6月までの「食物アレルギー事故の報告事例」によると、全国で10件の事故が発生し対応にあたっている。

 事故内容では「杏仁豆腐に脱脂粉乳が含まれていた」「ハムに卵が含まれていたのを見落とした」「乳製品の含まれたウインナーを提供した」「バイキング料理のカレーに乳製品が含まれていた」など、さまざまな要因で宿泊客がアレルギーを発症し、救急車で病院に搬送などされている。

 セミナーでは、鹿児島県教育庁健康教育係の櫁柑奈々恵氏が「アレルギー対応の重要性」について講義。かゆみやむくみといった軽度から、皮膚、消化器、呼吸器と全身に拡大する重度のアナフィラキシーに至る食物アレルギー症状を解説。表示義務がある特定原材料7品目と、特定に準ずる表示推奨の20品目を説明。「安全性を最優先に組織として調理現場まで対応することが大事」と強調。

 主催者の1人・中原支部長は「修学旅行200人のうち1割がアレルギーを持つ生徒」と自館の現状を紹介。「アレルギー対策を調理師任せにするのは限界」と話し、「事故原因である予約、調理師、配膳、伝達のヒューマンエラーをなくすことが重要」と訴えた。

参加者らが熱心に耳を傾けた

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