業界に大きな影響なし、自治体ツアー「業法適用外」(田村長官)
観光庁は、自治体が行うキャンプツアーや、ボランティア団体による被災地へのバスツアーについて、一定の要件のもとでは、「旅行業法の適用外とする」と通知。これによる旅行業界や地域の旅行会社への影響について、田村明比古長官は8月16日の会見で「いわゆる〝空白地帯〟だった部分で、旅行業界には大きな影響は与えないと考えている」と述べた。「とくにボランティアツアーは緊急性や、公益性といった観点で、空白の部分を埋めてもらう役割がある。ボランティア団体にも、役割を果たしてもらいたい」との考えを示した。
観光庁は7月28日に2つ通知を出した。1つ目の自治体が行うキャンプツアーなどへの通知は、「旅行業法上の取り扱いの解釈を明確にしたのがポイント」と話した。これまで問題なく行われてきたツアーが、「旅行業法違反ではないか」という一部の指摘を受けて、「自治体が解釈に迷って自粛してしまうという動きがあった」として、田村長官は「営利性、事業性がなく、日常的に反復、継続して行われるものではないものについては、もともと旅行業法違反ではないと示した」と説明。
一方、緊急時におけるボランティア団体による被災地へのバスツアーに関しては、「大勢のボランティアが被災地に行って復興支援をするというニーズがある。この部分を旅行会社がすべて対応できたかと言えば、そうではない」とし、「旅行会社にも引き続き役割を果たしてもらいながら、ボランティア団体などによるバスツアーも役割を果たすことが重要」との考えを示した。さらに、「旅行業界の方々とも十分に議論してきたが、『民業圧迫だから反対』という話はなかったと認識している」と述べた。今後、分かりやすくQ&Aを作成し、観光庁のホームページにも掲載。自治体にも提示していくと語った。
弁済制度引き上げ、8月にとりまとめ
「てるみくらぶ」問題の再発防止策として弁済制度の負担金の引き上げを検討していることには、「8月中には最終的な対策をとりまとめていきたい」と語った。
また、北朝鮮問題を受け、グアムへの旅行の影響については「特段際立った影響が出ているとは聞いてない」と報告した。
さらに、観光庁の組織拡充を受けて18年度予算は、「政策の大きな柱について相応の拡充はしたいと思っている」と意気込みを語った。
観光立国に向けた、新たな財源確保に向けた出国税に関しては、「幅広い選択肢を検討している状況」と述べるにとどまった。