メルマガ最大手買収、OTA競争さらに加熱(エボラブルアジア)
エボラブルアジア(吉村英毅社長、東京都港区)は9月12日、メールマガジン配信国内最大手のまぐまぐ(松田誉史社長、東京都品川区)の買収を発表した。月間PV数1500万、メルマガ会員数750万人を誇るまぐまぐ社を通じ、さらなる知名度向上を狙う。同社が運営する総合旅行プラットフォーム「AirTrip」(エアトリ)がオープンした昨年11月以降、一般ユーザー向けサービスの提供に力を入れてきた。9月11日には、人気芸人コンビ、オリエンタルラジオのイメージキャラクター就任発表会を行っている。外資を含め、OTA(オンライン旅行会社)の競争がさらに加熱しそうだ。
11日の発表会後、個別インタビューに応じた吉村社長。「エアトリの知名度向上につながるメディアに関心が高い」と強調した。まぐまぐ社との連携を通じ、旅行専門メディアを立ち上げる予定で、メルマガ会員をターゲットとした宣伝活動も行う。
国内航空券の販売で強みを持つ一方、知名度で他OTAに先行を許してきた同社。老舗メルマガサイトと人気芸人を活用することで、弱点を克服する。なお、運営するエアトリでは国内線を有する航空会社14社の航空券を比較・購入できる。
ともに力を入れる外貨両替事業では、地方でのインバウンド需要を取り込む。宿泊施設が不足するなか、ビジネスホテルなど中小規模の宿泊施設に泊まる訪日旅行者も多く、両替サービスの充実に対する需要は高いとみる。
同社では、IT技術を駆使することで両替の仕組みを簡素化。ビジネスホテルや旅館に対し、OEM提供することで収益拡大を狙う。