18年4月から弁済業務保証金引き上げへ、取引額に応じて追加徴収も
観光庁は2018年4月に省令を改正し、国による強制加入の保証制度である弁済業務保証金の引き上げを行う。保証金の引き上げは第1種旅行業を対象としたもの。
9月8日に、てるみくらぶの経営破綻を受け、再発防止策を検討する「新たな時代の旅行業法制に関する検討会 経営ガバナンスワーキンググループ」内で、8月31日付けで最終とりまとめが行われたことを報告した。8月4日の第4回検討会でとりまとめる予定だったが、(1)企業ガバナンスの強化(2)弁済制度のあり方の見直し――の2つの検討課題のうち、弁済業務保証金制度に関する意見がまとまらず、8月末となった。
現行制度では、弁済業務保証金の分担金は、旅行会社の年間取扱額などに応じて決定している。18年4月の省令改正後は、現行制度に加え、取扱額が多い会社から追加で分担金を徴収する。このため、海外の募集型企画旅行の取扱額に応じて分担金の積み増しを行っていく。
なお、第1種旅行業であっても年間取扱額が小さい会社は、現在の分担金でも弁済率が見込めるとの判断から、積み増しは対象外とした。
さらに旅行会社に対し、民間の任意の保証制度であるボンド保証制度への加入を促進する。そのほか旅行中に旅行会社の経営破綻などにより、旅行者の追加支出が発生した場合に、旅行者に保険金が支払われる特約の開発について保険会社と検討し、18年4月の商品化を目指すとした。
「企業ガバナンスの強化」に関しては、第4回検討会後に提示された内容から特段変更点はないが、「前受金」について60日より前に、20%以上受け取る場合、その使途を広告などに具体的に明記することをガイドラインで徹底するとした。
観光庁は、日本旅行業協会と全国旅行業協会に対し、12月中に「経営ガバナンスガイドライン」を作成するよう要請している。作成されたガイドラインについては、消費者庁と検討し、消費者に分かりやすい方法で公表する。