石川県金沢市で、工芸とまちの魅力を発信!金沢21世紀工芸祭が10月14日からスタート
2017年10月2日(月) 配信ワークショップや茶会など多彩なプログラムを楽しめる
石川県金沢市で10月14日(土)-11月26日(日)までの約2カ月間、「金沢21世紀工芸祭」が開かれる。2回目の開催となる今年は「工芸を遊ぼう。」をメインテーマに、ワークショップや展示など計122プログラムを実施。金沢の工芸とまちの魅力を発信する。
クラフト分野で認定を受けたユネスコ創造都市・金沢市が開催する工芸の振興・発信イベント。これまで個別に開いていた工芸イベントを集結し、新たなコンテンツを加えて、2016年に初めて開催した。金沢の街を、工芸の集積・発信地となる「ポート(港)」にすることを目指すとともに、工芸の交流と対流を生み出す仕掛けをつくり、工芸界全体の発展と地域活性化の基盤づくりをはかる。今回は、来年に金沢市が開催を予定している「東アジア文化都市2018金沢」のプレイベントとして、さまざまな工芸の多様性・可能性を提示する。
□工芸祭の魅力を伝えるPRムービー第1弾完成!
金沢21世紀工芸祭のメインコンテンツ「趣膳食彩」に向け、準備を進めるアーティストの制作の様子を追ったショートムービーがこのほど公開された。彼らの真剣な眼差しと、現場の静謐な雰囲気に引き込まれ、工芸への興味が駆り立てられる作品となっている。ディレクターを務めたのは、クリエイティブ/アート業界をつなぐビジネスプロデューサーで、BrutoとNION(いずれも東京)を率いる守屋貴行氏。制作現場ならではの空気感と映像美が楽しめる。
ムービーの視聴は公式サイトへ
□守屋貴行氏プロフィール
企業で映像制作やアプリ開発などを手がけた後、2013年にウェブソリューションを提供するBrutoを立ち上げ、 人工知能開発や映像制作など多岐にわたるクリエイティブワークを行う。16年には新しい映像ビジネスを構築するNIONを設立、ビジネスプロデューサーとして活躍する。
□金沢21世紀工芸祭を彩る8つのメインコンテンツ
【趣膳食彩(しゅぜんしょくさい)】10月14日(土)-11月26日(日)開催
「つくる」を生業とする料理人と工芸作家が真摯に向き合い、食と工芸の素晴らしさを五感で味わうプレミアムな世界をつくり出す。江戸期の金沢の町人・梅田甚三久(うめだじんさく)による日記をひもとき、歴史に思いを馳せながら「野掛け振る舞い(=ピクニック)」を行うプログラム「『梅田日記』とともに幕末の金澤をめぐる」や、石川・富山・福井の北陸3県の料理人がコラボレーションする「理~コトワリ~」など合計9プログラムを実施する。
□各プログラム日程
・10月14日(土) 「『梅田日記』とともに幕末の金澤をめぐる」
・10月15日(日) 「理~コトワリ~」
・10月21日(土)、22日(日) 「ドールヌーヴォー」
・10月28日(土) 「不二之門」、「ホネブト~骨太~」
・11月 4日(土) 「共鳴する才能~光悦と金沢~」
・11月11日(土) 「日就月将」
・11月18日(土) 「紅(あか)の味覚/サヴール・ルージュ」
・11月26日(日) 「身土不二〜自分と大地の距離を味わう〜」
【工芸回廊】10月19日(木)-同22日(日)開催
金沢らしい風情が残る、東山・主計町(かずえまち)の町家に、作家とギャラリーが工芸作品を出展する。新たな街の魅力を知り、アートや工芸が身近になるきっかけを提供する回遊型展示イベントだ。通常の展示空間とは異なる場所と作品のマッチング、作家やギャラリストとの交流も楽しみ。画像の投稿でアイスクリームなどがもらえるSNSキャンペーンも実施する。会場は協力店を含め33カ所、参加作家は60人以上。
▼参加ギャラリー名
・東山エリア
菜菓匠 奈加川、金座和アイス、桃組+晴組、福光屋ひがし、Bar 粋蓮、金澤町家職人工房 観音通り、カフェ&ギャラリー 三味、経田屋米店、茶屋美人、森八 うつわの器、町屋塾、浅の川 吉久、東山菅原神社、昆布・海産物處しら井(1F)
・主計町エリア
Bar 一葉、町家カフェ土家、彩賀、金澤 數 鮨処 あいじ、主計町検番、八百萬本舗、佃邸、佃の佃煮本店(1F、2F)、大樋ギャラリー
・サテライトギャラリー(「使う」「贈る」「飾る」をテーマに展示)
東山 一久、昆布・海産物處しら井(2F)
・タイアップギャラリー(協力店)
群青の広見内wonderspace、金沢市立安江金箔工芸館、金銀箔工芸さくだ、玉匣、能加万菜 THE SHOP 東山、茶房一笑、serif s typography books & gallery
【金沢みらい茶会】10月15日(日)-11月26日(日)開催
「茶の湯」文化が根付く金沢ならではのイベント。「トラディショナル」「コンテンポラリー」の2大テーマで茶会を開き、思い思いの解釈でおもてなしの場を創造する。普段は一般開放していない国指定登録有形文化財や、鈴木大拙館、ホテルなどバラエティに富む会場も見もの。
▼各プログラム日程(カッコ内は会場)
10月15日(日) 青宝茶会(宝円寺)、十間町四四茶会(谷庄・国指定登録有形文化財)
10月22日(日) ○△□茶会(鈴木大拙館)
11月 3日(金) 鏡花幻想茶会(かなざわ紋)
11月 5日(日) 本阿弥(香梅)茶会(経王寺)
11月12日(日) 十間町五三茶会(石黒商店・国指定登録有形文化財)
11月26日(日) 武家茶道「淡月の釜」(KUMU KANAZAWA-THE SHARE HOTELS-)
【金沢みらい工芸部】10月14日(土)-11月25日(土)開催
子どもから大人まで幅広い層が参加できるワークショップ。若手工芸作家の指導のもと、金工や漆芸、染色など伝統工芸の技法に触れ、作家の想いを追体験してもらいながら、未来の工芸を支える“使い手”となる道を拓くことを目指す。工芸を楽しみながら体験できる、部活動のようなプログラム。
▼各プログラム日程
10月14日(土) 「世界にひとつのキーホルダーを作ろう!」
「刻印でオリジナルペンダントヘッドを作ろう!」
10月21日(土) 「型染の手提トートバッグを作ろう!」
「沈金体験 お箸に模様を彫ろう!」
10月28日(土) 「大人の工芸部/じっくりこっとり干支作り(犬)」
「ネコブローチを作ろう!」
11月 4日(土) 「大人の工芸部/シルクストールのしぼり染め体験」
「KANAZAWAモチーフでオリジナルの器を作ろう!」
11月11日(土) 「サンドブラストで自分だけのお皿を作ろう!」
「親子で型染めハンカチとブローチを作ろう!」
11月18日(土) 「大人の工芸部/My酒器をのみながら作ろう!」
「どうぶつの形をしたお皿に上絵付けをしよう!」
11月25日(土) 「大人の工芸部/ミニゆびぬき作り体験」
「水引のみみかざりとかみかざりを作ろう!」
【金沢アートスペースリンク】10月14日(土)-11月26日(日)開催
※10月13日(金)まではプレ期間、11月11日(土)-11月26日はコア期間。
金沢市と近郊に点在するアートスペース23カ所が連携して行う企画。展示のほか、参加アートスペースをインターネットなどで紹介する「アートスペースインタビューズ」、工芸/現代美術にこだわらず地元のアートスペースが一堂に会するアートフェアも開催する。展示やイベントの総数は55を数える。
▼参加アートスペース
ギャラリーアルトラ、ギャラリートネリコ、高木糀商店、cafe & gallery musee、ガレリアポンテ、Kapo、金沢アートグミ、ギャラリー椋、陶庵、ルンパルンパ、山ノ上ギャラリー、問屋まちスタジオ、As baku B、芸宿、THE ROOM BELOW、Badass gallery、Books under Hotchkiss、A.SPACE gallery、atelier & gallery creava、Artshop 月映、serif s、FUZON KANAZAWA、玄羅アート
【「工芸建築」展】11月7日(火)-19日(日)、金沢21世紀美術館・市民ギャラリー
「建築を、ひとつの工芸として考える」。このテーマに、工芸作家や建築家など多彩なプレイヤーが応じる初の展覧会。伝統と革新が呼応し合い、独自の文化を発信する金沢から「工芸建築」が生み出す新たな可能性を提案する。アトリエ・天工人主宰の建築家・山下保博氏や陶芸家・中村卓夫氏、SIMPLICITY代表でデザイナーの緒方慎一郎氏ら11名が参加。
▼参加作家(順不同・敬称略)
緒方慎一郎(デザイナー)、山下保博(建築家)、浦淳(建築家)、小津誠一(建築家)、坂井直樹(金属造形作家)、中村卓夫(陶芸家)、三代・西村松逸(漆工)、眞壁陸二(画家)+HIPSQUARE、宮下智裕(金沢工業大学環境・建築学部准教授)、村本真吾(漆造形家)、吉村寿博(建築家)
▼関連プログラム 「工芸建築」展記念トーク「工芸建築の魅力と可能性について」
日程 :11月17日(金)19:00から
会場 :Fusion21(同美術館内)
定員 :80名
参加費:4,000円(飲食込み)
【国際工芸シンポジウム金沢「工芸の過去・現在・未来」】11月23日(木・祝)、金沢市文化ホール・大集会室
世界の第一線で活躍する研究者やキュレーター、オーガナイザーがパネリストを務めるシンポジウム。美術的な価値付け(キュレーション)と、市場の形成(マーケット)という、工芸を巡るふたつの課題から、工芸の現状を浮き彫りにし、将来性と可能性を探る。
▼スピーカー(順不同・敬称略)
・マルコム・フェリス
メイキングフューチャーインターナショナル
カンファフェンスシリーズ(英国)キュレーター、プリマス大学(英国)教授
・ナディーヌ・フィッシャー・クライン
Tresor Basel AG代表兼共同創設者
・クリスティーン・ノーク
国際民藝博物館(カリフォルニア州、サンディエゴ)展示監督、
チーフキュレーター
・ヘヨン・チョ
アートディレクター
【KOGEIトーク「技術か?コンセプトか?若手工芸作家と語る工芸の最前線」】11月10日(金)、KUMU KANAZAWA-THE SHARE HOTELS-
21世紀を生きる若手工芸作家は、どのような視点で自身の制作に向き合っているのか。金沢21世紀工芸祭の総合監修を務める秋元雄史氏が聞き手となり、工芸の最前線のテーマに迫る。
■開催概要
名称 :金沢21世紀工芸祭
会期 :2017年10月14日(土)~2017年11月26日(日)
公式サイト : http://21c-kogei.jp/
総プログラム数:122(趣膳食彩:9、工芸回廊:33、金沢みらい茶会:7、
金沢みらい工芸部:14、「工芸建築」展:2、
金沢アートスペースリンク:55、
国際工芸シンポジウム金沢:1、KOGEIトーク:1)
場所 :金沢市及び近郊
主催 :金沢創造都市推進委員会/金沢市
共催 :公益社団法人金沢青年会議所/認定NPO法人趣都金澤/NPO法人金沢アートグミ
特別協力 :北國新聞社
事務局 :金沢21世紀工芸祭実行委員会(株式会社ノエチカ内)
金沢市下本多町六番丁40-1