全商品の購入可能に ビットコインで旅行へ HIS
2017年10月1日(日) 配信
エイチ・アイ・エス(HIS)の旅行商品がすべてビットコインで購入できるようになった。渡航先の縛りもない。HISは国内最大のビットコイン取引所ビットフライヤー(加納裕三代表)と提携。9月23日から、9拠点38店舗でのビットコイン決済を導入した。旅行会社として初の取り組みで、「旅行×ビットコイン」の新たな市場で開拓する。
仮想通貨のビットコインは「国に帰属しない通貨」といわれ、特定の発行体がない。「国境をまたげるので、旅行との親和性が高い」。加納代表は9月21日に開かれた会見で、旅行との相性に期待感を示した。
□国内のビットコイン市場は急拡大中
「旅行という体験を購入できるのは、新たな取り組み」(同)。これまで家電などのモノを決済することはあったが、実体のない旅行体験の販売は初めてだという。
国内のビットコイン取引市場は急拡大している。HISの資料によれば、2017年は16年に比べ、4倍ほどの約8兆5千億円規模になる見通し。HISは市場の拡大を見越し、早い段階で店頭決済を決めたかたちだ。
同社の店頭利用の年代別割合は20―30代が6割を占めるが、40―50代は28%と低い。一方でビットコインは、市場拡大し20―30代も多いが、40代の利用者がメインとなる。
HIS関東販売事業部販売管理部グループの吉野真司グループリーダーは、「ビットコイン決済導入で若年層の利便性向上と、40代の層を新規開拓する狙いもある」と説明した。
なお、加納代表は今後の同社の目標値について「加盟店数は年内に1万店舗。利用者数は現在60万人を超えているが、年内に100万人超えを目指す」と話した。