第16回日本鉄道大賞は東京メトロの「ニッポンの地下鉄誕生より90年:そのたゆまぬ努力と成果」が受賞
2017年10月17日(火)配信
東京地下鉄(東京メトロ)の「ニッポンの地下鉄誕生より90年:そのたゆまぬ努力と成果」が、地下鉄総体を代表し、「第16回日本鉄道賞」大賞を受賞。10月16日(月)に東京都内で開かれた第24回「鉄道の日」祝賀会で表彰式が行われた。
特別賞には、タカラトミーの「プラレール×鉄道会社 オリジナル施策・博物館内子供向け施設の展開」と五能線沿線連絡協議会・東日本旅客鉄道(JR東日本)の「沿線地域の魅力をつないで走る五能線『リゾートしらかみ』20年」がそれぞれ選ばれた。
□今年は地下鉄誕生から90年
日本の地下鉄の歴史は、1927年、浅草~上野間2・2㌔の開通から始まる。東京メトロ銀座線では今年、開業当時の旧1000系の内・外装を再現した、1000系特別車両を導入。手すりや吊手なども当時のデザインを再現するなどし、大きな話題を集めた。
山村明義社長は、「技術面やソフト面など、お客様と一緒につくってきた文化だと思うので、受賞できて感謝している」とコメント。今後も多言語対応やバリアフリー対策などを進め、東京メトロを幅広い客層が使いやすくなるよう進化させる方針を示した。
□子供と鉄道の結びつきを大切に
販売開始から再来年で60周年を迎えるプラレールは、子供と鉄道の結びつきを1番大事に、商品化を行っている。現在60種類以上の車両を商品化し、鉄道博物館やリニア・鉄道館などでは、プラレールで遊べる場所が用意されている。
関係者は「家の近くを走っている電車をプラレールにしてほしいというリクエストは、たくさんある。1種類でも多くの車両を商品化し、子供たちの声に応えたい」と今後の展望を語った。
□地域とともに リゾートしらかみ20周年
「廃止も検討されていた沿線を盛り上げたい」との思いから誕生した五能線「リゾートしらかみ」が、今年で20年目を迎えた。解放的な車窓からは雄大な日本海を一望でき、絶景ポイントでは、徐行するなど、さまざな工夫が施されているのが特徴。また、車内では津軽弁で語る昔話や津軽三味線など、沿線地域の伝統文化が披露される。
関係者は「沿線自治体の皆さんのご協力があって、五能線は盛り上がっている」と感謝の言葉を述べ、「今後も車両や沿線の取り組みなどをさらに磨き上げていく」と語った。
□今年は鉄道にとって記念すべき年
鉄道の日実行委員会の森地茂会長(政策研究大学院大学 政策研究センター所長・教授)はリニア中央新幹線の工事やJR各社の相次ぐ豪華観光列車導入に触れ、「今年は鉄道にとって記念すべき年であり、大きな動きがあった年でもあった」と総括。JR東日本の英国での旅客鉄道事業運営権の獲得などにも触れ、「海外でも、日本の鉄道技術や人材を活用し貢献する取り組みが本格的に始まった」と鉄道の発展に対する今後の期待感を示した。